白内障は眼の水晶体タンパク質(主にクリスタリン)が種々の原因で変性・凝集し蓄積してレンズの透明度が低下する病気です。
変性の原因は色々ありますが、目を開けていれば避けられない紫外線はその主なものです。紫外線のエネルギーが細胞のタンパク質や核酸(ただし、水晶体の細胞はほとんど分裂しませんからDNAが傷害されても大きな影響はありません)に吸収されてこれらの分子が損傷されます。また紫外線は水晶体内の水分子に作用して活性酸素を発生させて近くのタンパク質を間接的に傷害します。
銅などの金属イオンが関与する活性酸素産生反応も関わっていると考えられています。こうして生じた異常タンパク質は凝集し易い性質を持っています。傷害を受けたタンパク質は水晶体内でほとんど分解されないため次第に蓄積してゆくのです。