ブドウ糖(グルコース)は生きて行くためのエネルギー源として欠かせないものです。通常血液中には1ミリリットル当たり1mg程度含まれていて(血糖値90-100 mg/デシリットル(dl))、血中濃度はインスリンなどのホルモンの働きで厳密に保たれています。ところが種々の原因でこの血糖値が維持できなくなると高血糖や低血糖という病態が引き起こされます。
高血糖状態が続くと糖尿病と診断され、網膜症を起こして失明したり、透析が必要な腎症にかかったり、神経障害などの重篤な合併症が生じることがあります。
病態の主な原因の一つはブドウ糖が細胞のタンパク質などの物質と反応し異常タンパク質が生成され細胞機能が損なわれることです。この過程では非酵素的糖化反応(glycation)に加えて活性酸素も関わる反応(glycoxidation:糖酸化反応)が起こり、細胞傷害を増悪させていると考えられています。