Eco Research Guide 1

アカガエルの卵を探しに

アカガエルは、湿田・土水路・・・と伝統的な谷津環境が残っているところにしかすんでいません。そのことはひるがえって、「谷津環境の指標生物」ともいえるのです。アカガエルがいるところは、‘谷津田の生きものたち’にもすみやすいところとなっています。ニホンアカガエルが生きていける谷津環境をつくり、生きもののにぎわいを取り戻しましょう。原案:小野由美子

さあ ニホンアカガエルの卵塊を探しにいこう!

ニホンアカガエルの卵塊をカウントするために
カエルの目、カエルの気持ちに
なって、歩いてみよう
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調査の手順

  • 地図の用意
    ・・・・白地図 または
    ・・・・グーグルアース
    による航空地図
  • 歩いて、卵のあった所を地図に落とし、状況をフォーマットに記入。
  • 1年間分の集計
調査日時 2006.2.22.   時間 9:15~10:35   記録者 相馬
時間地区地点NO.卵塊水深その他
19:2026A有1518
29:32B無30
39:40C有310
4有・無
5有・無
6有・無
例)    アカガエルの卵塊調査票    記録者
地点A地図NO.6年月日07.2.5時間9:00~25
天気前日気温8℃水温5度水深18cm
当日水草ガマ数本流れ無し
周囲の環境 谷津の先端が調整池になっているが、斜面林が残っていること、圃場整備されていない場所であることから、 荒れた湿地となっている。ビオトープにして3年目。 周辺はヨシ原。
卵塊数 18個
NEW15個孵化
M乾燥死
OLD3個
写真記録有
土地利用ビオトープ

こんなとき どうする?

 

卵が重なっていて数えられないんだけど・・・・

たしかに、たくさん産んであるととても数えにくいです。でも、おおよその見当をつけて、がんばって数えてみてください。だんだん慣れてくると思います。

古いのに新しいのが次々と・・・

新しいのが増えたら、合計で○個と記録して下さい。新しいのは黒っぽくつぶつぶが盛り上がって球に近く、日がたつにつれて、だんだん平たく白っぽくなっていきます。

例)    2/10    田んぼに12個、溝に3個
2/20前回見た同じ田んぼに20個、
溝に10個

黒っぽいのが増えていた。

昨日の雨できっと第2弾が産卵したんだ。

夜はどんな様子なんだろう。

産んである卵が凍っているんだけど・・・・だいじょうぶ?

せっかち派が産んだ卵がこおって腐っていく場合もあります。浅い水面に産み付けるから、全部が生き残るのは自然界では難しいです。死滅していると見受けられてもカウントし、そのようすをコメントしておいてください。

行ってみたらもうオタマジャクシになっていたんだけど・・・

早めに生まれたのが順調に育っていることもあります。オタマジャクシは生まれてすぐは動き回らず、卵塊の形のままかたまっているので、ひとまとまりで卵塊1個分と数えてください。おおよそでいいのです。

卵塊のゼリー質だけ残っているんだけど・・・・

鳥などに食べられてしまうことがあります。その際もおおよその数を記録して下さい。

おたまじゃくし
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ニホンアカガエル情報

千葉県レッドデーターブック
Aランク(最重要保護生物)

《 産卵時期 》

  • 千葉県では毎年1月~4月
    ピーク : 2月中旬~3月中旬
  • ある地域での集団が、何回かに分れて♂♀いっせいに繁殖行動をする。
  • 1匹のメスが産卵するのはその年1回のみ。ひとつの卵塊に 1000個程度の卵がある。
  • 斜面林下の湿地などで冬眠しており、産卵時期に田んぼへ移動し、産卵後再び冬眠する。(春眠)

《 産卵場所 》

  • 生活排水で汚染されていない、清らかな湧水のみの水環境
  • 斜面林と田んぼが土水路でつながっている昔ながらの湿田、未整備田
  • 冬でも水が溜まっている田んぼ・溝、水深の浅い池など
  • しかも日当たりがよいところ(寒い時期に発生が進むように開放水面に産む)

《 発見が難しい場所 》

  • 圃場整備田
    (冬、乾田化しており水たまりが無く産卵できない。但し、古いタイプの整備田では、冬でも水たまりがあり産卵できる)
  • コンクリート護岸の水路が、斜面林との間にある田んぼ
    (アカガエルは吸盤がないので、コンクリート張りの水路に落ちると登ることが出来ない。したがって、コンクリート護岸の水路で斜面林と田んぼが分断されているところでは、ほぼ地域全滅している)

◆卵塊調査のお誘い

北総生きもの研究会では、アカガエルの産卵観察会、卵塊調査を実施しています。詳しくは、事務局までお問い合わせ下さい。
問い合わせ:相馬なおみ
メール

調査データーのとりまとめ

日本赤蛙研究会では、調査データーのとりまとめを行っています。記録して頂いた貴重なデーターをとりまとめて報告書を作成し、その情報をみなさんと地域の保全に役立てていきたいと思っています。
世話人:尾崎煙雄
メール

◆日本赤蛙研究会

カエル好きの集まりです。東邦大学の長谷川雅美先生が発起人となり、アカガエル(複数の種を含む)を地道に研究し、情報と知識を共有しながらその輪を広げて保全に役立てていこうという会です。
問い合わせ:小野由美子
メール

◆カエル探偵団

カエルやサンショウウオの保全に関心を持つ研究者やナチュラリスト、写真家たちが作っているカエル探偵団。桜前線のように、毎年アカガエルの産卵前線が報告されているHPなので、地域の産卵情報がチェックできます。
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