目的
ホオジロは里山を代表する鳥で、白井市をはじめ、千葉県の鳥でもあります。
ホオジロは、 5月から6月のさえずる鳴き声が美しく、昔は「一筆啓上仕り候」、今なら「サッポロラーメンミソラーメン」などど聞きなしされ、私たちのまち白井市に数多く生息しています。
ホオジロがどのような鳥で、どういう場所に生息しているのか、その生息している環境を記録し、把握することによって、私たちの住んでいるまちは今どういう状態なのかを学びたいと思います。
さわやかな季節、さえずりをたよりに身近な自然を散策し、里山に囲まれたまちを実感して頂けたらと思います。
ホオジロは里山を代表する鳥です。白井市をはじめ、千葉県の鳥でもあります。
1、目的 |
ホオジロがどのような鳥で、どういう場所に生息しているか、生息している環境を把握することによって、私たちの住んでいるまちはどういう環境なのかを知る。ホオジロが何をしているか観察する。
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2、講師 |
- 中山聖子さん:東京湾生態系研究センター、自然環境研究センター、
白井市環境調査専門委員
- 藤田薫さん:元日本野鳥の会レンジャー、「横浜自然観察の森」で市民と一緒になって活動
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3、タイムテーブル
8:30 | スタッフ集合 |
9:00 | 集合 オリエンテーション、注意事項、移動(4ルート) |
9:30 | 調査スタート |
11:30 | 調査終了、(※)随時解散、移動 |
12:00~13:00 | 昼食・休憩 |
13:00 | 調査結果集計・まとめ・講評(会場:ウエルプラット) |
14:30 | 終了・解散 |
(※)午後の調査のまとめに参加いただける方は、是非ご参加下さい。
また、調査結果をご希望の方は、係りまでご連絡下さい。
後日送付させて頂きます。
全体:長谷川・坂巻 受付:森田 進行:坂巻 記録:相馬(な)
4、ルート・班 (トイレ箇所の記入)
Aコース ( km): | 市役所→木→七次→清水口調整池→神崎川沿い→市役所 |
Bコース ( km): | 市役所→北環状線→二重川沿い→二重川合流→神崎川→所沢小橋→市役所 |
Cコース ( km): | 市役所→熊野神社→法目川渡る→464R渡る→二重川沿い→南山公園→464R渡る→弁財天→文化センター脇→市役所 |
Dコース ( km): | 市役所→白井駅西側→白井木戸公園→池の上調節地→二重川→白井駅→市役所 |
ルート・班 | 講師 | スタッフ担当 | 参加者 |
A清水口調節地 | | 堺(初)・相馬(唐)・ 緒方・東邦大学生 | |
B神崎川 | | 斉藤・高野・森田 | |
C法目・南山 | | 堺・坪井・中條・矢野 | |
D池の上調節地 | | 相馬(な)・米田・岩本・寺園 | |
本部:長谷川・坂巻
責任者: |
- 責任者◎を決める、スタッフに雨の場合の連絡をまわす
- Dコース担当の方のコース配置
- 講師の先生の配置
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5、注意事項
- 車に注意しましょう。
- 足もとに注意しましょう。
- 鳥の声に耳をかたむけましょう。
(小さい音でも鳥たちは反応して逃げてしまいます。)
- 鳥の動きをよく観察しましょう。
- 地図の記入の仕方
6、雨の場合:坂巻と長谷川判断(6時判断?)電話連絡、メール
- 長谷川先生→講師の先生方
- 坂巻→スタッフ(責任者)→班のスタッフ
坂巻→参加者
- スタッフメール(相馬なおみ)
7、緊急時の連絡(長谷川・坂巻):別紙参照
8、持物
- 参加者:弁当(午後の部に参加の方)、飲み物、双眼鏡、野外活動のできる服装、靴、帽子、雨具、A4ボード(それに代わるもの、紙をとめるクリップ)、筆記用具
- スタッフ(各班1個):地図、記録用紙、図鑑、ポイゾンリムーバー、水500ml、携帯電話、時計、
- 会で用意:A4ボード10(森田)、双眼鏡(東邦大学・長谷川)
- まとめ資料:長谷川
9、保険名:長谷川
表紙:長谷川
地図・ルート:相馬な
記録用紙:相馬な
ホオジロウォッチング2007.5.7
事前準備
1. 下見情報・コース確認
コース確認 |
別紙にコース記入 各コース担当者下見にて確認したこと
フィールドの危険箇所・危険な地形・立ち入り不可の場所・工事箇所 トイレ・避難場所・休憩場所(日陰) 危険な生物 緊急時の傷病者の搬送(コースを細区分)
責任者・・・A相馬(と)B森田C坪井D相馬(な) 副責任者 記録係 |
Aコース |
調整池まで行って一周すると時間をはるかにオーバー。ホオジロ確認できず。見所を説明しながら観察会を行うと2時間で戻ってこられるか?コース短縮(もう一度コースとホオジロを確認予定) |
Bコース |
健脚コース。ホオジロを見つけながら歩いて3時間近くかかる。日陰があまり存在しない。 6キロ以上歩く。 |
Cコース |
ホオジロの出現と時間を考えコース縮小。約2時間半。 |
Dコース |
市役所からホオジロの出現場所までかなりある。コースをこれ以上縮められない。約3時間。 |
⇒4コースを下見の結果
一般参加者は主にCコースへ参加させる
子供の参加者はAコースへ
学生および健脚のかたはB・Dへ
2. 関係機関など
市役所→午後の部屋・看板・借り上げ物品など 坂巻
受け入れ医療機関→森田
2次受け入れ病院連絡・確認
その他・トイレ
3. 資料
参加者配布資料→相馬
記録用紙→相馬
スタッフ用資料→坂巻
参加者名簿・スタッフ携帯電話
緊急時対応マニュアル→その場で対応の場合
本部より車で対応の場合
⇒臨機応変に対応。責任者・本部で対応
緊急時対応病院→森田確認
本部との連絡⇒天気急変・傷病者が出たときの対応・観察会続行の指示
12時に現在位置報告
午後用資料→長谷川
4. 必要物品
開催看板・受付用テーブル・イス(市役所)・ネームプレート・双眼鏡(東邦大)・バインダー(白井環境塾)・救急用品・タオル・水500cc・ポイゾンリムーバー(各コースにて用意)
5. 雨天時対応(5月19日雨天時20日に順延)
朝5時最後の天気予報で判断
6. 参加者へのファックス・はがきでの返信内容
ホオジロウォッチングにお申し込みいただきありがとうございます。
5月19日(土)のご案内をいたします。
9時 | 白井市役所正面玄関集合 |
9時30分~12時 | 4コースに分かれてホオジロ観察 市役所に戻りしだいコース別にまとめと感想 |
~13時 | 昼食(午前の部はここで終了解散) |
午後の部を書面にてご案内いたします。是非ご参加ください
13時~14時30分 |
ウェルプラット会議室にて(市役所隣) 確認したホオジロを4コースすべて地図に記録 まとめと講評 |
※ 持ち物
双眼鏡・飲み物・筆記用具・雨具・弁当・帽子・シート ・ 持っている方はA4バインダー ・ 歩きやすい靴
なお保険は行事保険に加入しております。
順延の場合は5月19日午前7時に北総生きもの研究会より電話連絡をいたします。その場合は5月20日になります。 皆様のご来場をお待ちしております。
7. 集計結果
午後まで残らず、集計結果を希望する参加者は受付でその旨を聞く。
郵送実費200円。あるいはメール配信(無料)
8. 報告書
初めての一般参加者を募っての観察会の反省等
来年につなげるための資料。聞き取りアンケートなど。
9. 参加者名簿(別紙)5/7現在
ホオジロウォッチングスタッフ資料 2007・5・14
1.コース・担当者・参加者割り振り リ:リーダー 副:副リーダー
B神崎川コース
リ:森田 副:高野 記録:坂巻 斉藤
タナカタダシ 田中昌子 渡邉和子 渡邉裕子 中山先生
C法目・南山コース
1班リ:堺(義) 副:坪井 記録:矢野 藤田先生 C班全体記録 中條
池田士朗 池田 秋井 東邦大・山川 渡辺博史
2班リ:堺(初) 副:相馬と 記録:緒方 長谷川
工藤 東邦大・斉藤 小野 向井裕子 有本こまみ 清水じゅん
D池の上調整池コース
リ:相馬な 副:米田 記録:寺園 岩本
東邦大・奥村 東邦大・深沢
2.班での持ち物(各班ごとに確認してください)
救急用品・タオル・水500cc・ポイズンリムーバー・携帯電話・時計・バインダー
3.雨天時対応(5月19日雨天時20日に順延)
朝5時最後の天気予報で判断
4.当日役割分担
受付:森田 相馬と 米田
名簿確認 保険用の氏名記入 資料配布 ネームプレート 持ち物・午後参加・報告資料配布確認 アンケート用紙
全体記録:相馬な C班記録 中條
設営:手の空いている会員
開催看板 受付いす テーブル
機材管理:長谷川 東邦大学生
進行:坂巻
移動本部:長谷川
5.借用物品
[東邦大学]
双眼鏡10台
[白井環境塾]
バインダー10 ネームプレート 筆記用具
6.タイムテーブル
8:30 | スタッフ集合 打ち合わせ・最終確認 参加者受付 |
9:00 | 参加者集合 オリエンテーション 各班にわかれる |
9:30 | 観察スタート |
(市役所に着いた班は他の班へ到着の旨連絡) |
12:00 | C班の到着を待ち、まとめを行う |
~13:00 | 昼食・歓談・アンケート用紙回収。午前の部終了 |
13:00~ | 結果集計・まとめ・講評(会場:ウェルプラット) |
14:30 | 終了解散 |
14:30~16:00 | 反省会・5月定例会 |
7.注意等
*参加者の安全を第一に観察をすすめる。特にけが・日射病等。トイレ休憩・水分補給も充分に。
*時間内に戻ってこられるように配分を。
*ホオジロだけではなく観察会としても楽しめるような配慮をしてください。
参加者名簿 5月15日現在
| 氏名 | | 年齢 | 住所 |
1 | 田中 | タナカタダシ | | 印旛村若萩 |
2 | 田中昌子 | タナカマサコ | | 〃 |
3 | 工藤 | | | 船橋市小室 |
4 | 池田士朗 | イケダシロウ | | 東京都 |
5 | 池田 | | | |
6 | 渡邉和子 | ワタナベカズコ | 60 | 白井市清水口 |
7 | 渡邉裕子 | ワタナベユウコ | 32 | 〃 |
8 | 東邦大 山川 | | | |
9 | 東邦大 斉藤 | | | |
10 | 東邦大 奥村 | | | |
11 | 東邦大 深沢 | | | |
12 | 秋井邦夫 | | | 白井市清水口 |
13 | 小野良子 | | | 白井市大山口 |
14 | 向井裕子 | | 小6 | 白井市清水口 |
15 | 有本こまみ | | 小6 | 白井市清水口 |
16 | 清水じゅん | | 小6 | 白井市清水口 |
17 | 渡辺博史 | | 66 | 白井市大山口 |
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8.緊急時対応に関しては別紙参照
9.当日の様子・アンケート・開催までの準備を報告書にまとめる。後日会員に配布。
ホオジロウォッチングアンケート 22名
Cコース 2名
1. 本日歩いた距離に関して
長かった
短かった
適当だった 2名(うち1名:雨が降って残念でした)
2. 本日のコースに関して 未回答1名
おもしろかった 1名
普通
あまりおもしろくなかった
3. 全体を通じてのご感想
- 楽しかったです。準備ご苦労さまでした。
- 雨のためコース1/3で引き返すことになりましたが、参加者の小学生にはちょうどよい距離だったと思います。望遠鏡でさえずっている様子が見られてとても感激でした。
4. 次年度も継続してこの調査を続ける予定ですが、参加協力していただけますか?
はい2名
いいえ
コース記入なし 20名
1. 本日歩いた距離に関して 未回答1名
長かった 2名
短かった 6名
適当だった 11名
2. 本日のコースに関して
おもしろかった 18名(うち1名:very)
普通 2名
あまりおもしろくなかった
3. 全体を通じての感想
- 雨天に拘わらず、目的のホオジロが各班みつけることができ精巧したといえる。
- 雨が残念だった。カワセミがみられてよかった。
- 下見のときは他のメンバーがとらえた鳥も見極めがつかなくてがっかりしていたが、ホオジロ以外の鳥も見られ、くもや蜂の巣もみられた。下見の時は、ノウサギもいて観察するには大変楽しいコースでした。
- ホオジロのさえずりの姿がかわいかった。
- 楽しかった。ホオジロがみられてよかったです。
- あいにく雨にふられ途中でひきかえしていたのが残念でした。
- 交通の激しいところにサギがあのように抱卵しているのにびっくり。雨が残念。
- 若年の方から老年の方までこの白井に「生物」に興味のある方たちが多くいらっしゃるのにちょっと驚きました。このような集いが永く続くことを希望いたします。
- 鳴き方に印象。身近にホオジロがみえてよかった。
- 天候が悪くても続行したが、判断はむずかしいと思う。班のメンバーの顔色をみながらきめました。
- 東邦大学生と一緒に歩けたことが何よりうれしくいろいろ教えてもらった。
- 自然の中で自然を感じながら鳥をみるのはとてもたのしかった。開発するのも考えてからにして欲しい。
- 全体的によく計画が立てられていてよかったと思います。
- 雨天でもホオジロを楽しめることを知れました。
- ホオジロの調査と観察会の令法を同じ場でおこなうのはとても大変とおみました。楽しい散歩道にホオジロは何話いるかな?と進められるとよかったです。
- 雨の中でもホオジロがでてくれて良かった。
- 白井に25年以上住んでいるのですが、いままできづかなかった白井のよさをしることができました。これからはもっと耳をすませて歩いてみようと思います。
- 雨もまた良しというところですね。雨の予想が難しいと感じた。
4. 次年度も継続してこの調査を続ける予定ですが、参加協力していただけますか?
はい 19名
いいえ
(なるべく参加したいと思う:1名)
【ホオジロウォッチングの反省 2007.5.19】 ・・・・・議事録より・・・・・
- 名簿に班名をいれると受付しやすかった。
- 雨の判断の難しさを体感した。見どころがあったことが ホオジロを多く見られなくても救いとなった。
- 下見時と現在とでは雛がでている可能性があり、確認数がちがう場合があるので、来年ホオジロウオッチングを行う場合、5月19日の前後がよいでしょう。
- カワセミが林まで来ていた。
- 活動の裾野を広げることもあわせて考える。
- 下見でも長かった。
- 小学6年生の距離としては、今回の法目コース(短縮コース)がちょうどよかった。
- 雨でもあり、距離が長かったため、車で迎えにきてもらった。いろいろな分野の東邦大学生の皆さんがいたので、非常にたのしいホオジロウオッチングだった。
- 緊急連絡をしても、携帯がつながらなかった。緊急連絡時の体制の見直しが必要。
- 参加者がコースを選べるように(健脚コースなど)するとよかった。
- 雨の場合を想定して、short cutできるようにルートをあらかじめヒョウタン型にしておくとよいでしょう。
- 参加者には、お土産と達成感を持って帰ってもらう。お土産は、パンフレットであり、達成感は、作業することで得られる。例えば、参加者模造紙に地図を描き、参加者にホオジロのいた場所にシールをはってもらう作業をしてもらったらどうか。
- 子どもたちが最後にあきているのが見受けられた。子どもたちがあきない工夫と、子ども用スタッフをつけるとよかった。
- 池の上調整池コースは、白井駅前センターを起点にするとよかった。
- ホオジロのレクチャーをする人をいれるとよい。観察会を有意義にするために、+アルファーの要因、観察員の度量などが考えられる。
- 天気の判断は、7:00のニュースで判断し、判断者を入れるとよいでしょう。連絡網も組織図をつくるとよい。
- コースは80mでも観察会はOK。参加者に「どうしてだとおもう?」と意見を聞く。そうすることで、周囲の小川や風景が見えてくる。ケビン氏は、おどろきやパフォーマンスをいれて、参加者をひきつけていた。だから、距離が短くてもよい。
- 雹(ひょう)や雷に気をつける。避難する場所を見つけておく必要がある。
- 調査と観察会をわけて行うとよかった。タイムキーパーや、子どもたちをケアーするスタッフが必要だった。
- ホオジロの観察会では楽しめた。池の上調整池など水辺環境がよい。ホオジロがとまる木、その木はどんな花が咲くか、その花にはどんな虫がくるか・・・など、ホオジロを通していろいろな生物へと広げていける。
- ホオジロの下見を4月29日に行い、ホオジロを確認できたということを聞いた。このことから、ホオジロは2週間経っても確認できるし、個人でも、みんなでも楽しめる観察相手ということが出来る。ホオジロは、PRできる指標種と思う。
- ホオジロのさえずりがおもしろかった。白井市は自然が残っていておもしろい。
- 池の上調整池から二重川にかけて開発の手が入っていくのがわかる。カエルや水辺環境が悪くなってきている。ホオジロやヒバリなど一般鳥類の繁殖活動を調べることで、環境のうつりかわりが見えてくると思う。
- ホオジロウォッチングを通して、季節によってホオジロのいる場所がちがう。探し方も異なることがわかった。生態調査は面白い。
- いつも地面を見て歩いていたので、ホオジロを探して上を見て歩くのは 楽しい体験だった。今まで生きものと環境を考える余裕が無かったですが、ホオジロ観察の終わった後で このように集って考えることが重要だと思う。
- ホオジロウォッチングが、今後どのように変わっていくか楽しみである。観察会終了後考える場をもうけるとよい。
- 二重川から神崎川の土手はいいコースだが、今回、急な雨で 雨宿りの場所もないし、行くも地獄、帰りも地獄という感じだった。
ほおじろウォッチング北総生きもの研究会
“白井に25年以上住んでいるのですが、今まで気付かなかった白井の良さを知ることができました。これからは、もっと耳をすませて歩いてみようと思います”。
今年5月19日に開催された「ほおじろウォッチング」 (主催:北総生きもの研究会、共催:東邦大学理学部、後援:白井市)の参加者アンケートには、こんな感想が寄せられていた。
・・・・・「準備は大変だったけど、こんな感想もらったら来年もがんばってやろうね、って気持ちになるじゃない。」
「そうそう、来年もこのコースとあそこははずせないわね。生き物を観察する散歩道の提案第一号になるんじゃない」。
観察会兼調査会を無事終えた北総生きもの研究会のメンバーは、こんな会話を後にして帰路についた。
ホオジロは、千葉県の鳥でもあり、白井市の鳥でもある、ありふれた小鳥であるが、街では絶対に見ることができない不思議な鳥。ではどこにいるの。それが、このウォッチングのメインテーマ。ツバメやスズメは街にも田舎にも住んでいる。森の住人といわれるヤマガラでさえ、大きな都市公園の森には姿を見せる。だが、ホオジロは田んぼや畑、雑木林が入り混じる里にしかでてこないというのだ。
彼らのさえずりは、テッペンカケタカとかトウキョウトッキョトカキョクなどと聞きなされていて、とてもなじみ深い鳥だが、住処には気難しいところがあるようだ。ホオジロが好んで住む場所っていったいどんな里山なのか、確かめてみよう。これが、白井から印西、印旛、本埜にかけて千葉ニュータウンを取り囲む里やまの自然をホオジロのきもちになって見直してみよう、という観察会の企画趣旨である。
小雨ではじまり、どしゃぶり、そして再び小雨とめまぐるしく変化する天気の中、22名もの市民が参加したほおじろウォッチングは、主催者によれば大成功であったという。朝9時、白井市役所に集合した参加者は、3コースに分かれてホオジロ探しを行った。
市役所から北環状線を東に向かって二重川を下り神崎川をさかのぼって市役所に戻る主催者チームは、1羽のオスを確認した後、さえぎるものの無い堤防の上でどしゃ降りにおそわれ止む無く引き返すことになった。
中山聖子さん(自然環境研究センター)と藤田薫さん(元日本野鳥の会レンジャー)の案内で、市役所を南に向かったCコースでは、文化センター脇の林で早くもホオジロに出会ったが、法目から北総線のガード下にたどり着いたところで、どしゃぶりに会い、やはり引き返すことに。
そして、雨にもまけず最高7箇所でホオジロの姿を確認できたのが、市役所から池の上小学校、富が沢調整池を経て、二重川を下って市役所にもどったDコースであった(イラスト)。
イラストを良く見ていただこう。ホオジロが見つかった場所には○で囲まれた1から7の数字が記されている。数字は地図の下のほうに偏っている。そう、富が沢調整池から二重川にくだり、対岸に船橋県民の森を望む富が沢と富ヶ谷の里がホオジロのすみかとなっていたのである。
「本当に里山にしかいないのね、最初はアスファルトと公団住宅の中を歩いてばかりで少し退屈気味だったけど、調整池の周りで鳴いている姿を見つけてからは、もううれしくなっちゃって。ホオジロのオスって独身ほど良く鳴くっていうから、なんだか気の毒なような気もして少し感情移入しちゃったわ」。
東邦大学の独身男子学生2名と一緒にこのコースを回った生き物研究会のメンバーは、私たちが本当に楽しんじゃってと、少し申し訳なさそうに観察会の印象を語っていた。
自然に恵まれた千葉ニュータウンが気に入って多少不便でもこの街を選んだという研究会のメンバーは、みな、ニュータウンを取り囲む里山がいつまでもホオジロのすむ里山であり続けますようにと願い、毎年彼らの私生活を少しだけのぞかせて欲しいと、来年以降も観察会を続ける計画だ。調査データを充実させ、ホオジロ観察コース1号、2号と提案できたら、とも言う。いろいろな生き物の声に耳を澄ませ、かれらの住処を守ってあげたいと思い、活動してくれる仲間が増えること、それがもう1つの願いである。