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ハゲタカ・ジャーナル(predatory journal)にご注意ください

  • 更新日:2024/08/13

オープンアクセスジャーナルの中には「ハゲタカ・ジャーナル」と呼ばれるものが存在し大きな問題となっています。このようなジャーナルに論文を投稿すると,不当な掲載料の請求を受けるだけでなく,自身や所属機関の評価・信頼が損なわれる恐れがあります。
トラブルに巻き込まれないためにも,論文の投稿前に以下を確認し,ハゲタカ・ジャーナルには投稿しないでください。
投稿先のジャーナルがハゲタカ・ジャーナルかどうか不明な場合は,メディアセンターまでご連絡ください。

ハゲタカ・ジャーナルとは

近年,オープンアクセスジャーナルの増加とともに,APC(Article Processing Charge:論文をジャーナルに投稿する際,掲載論文をオープンアクセスにするために発生する費用)の収入のみを狙った「学術雑誌」を刊行する悪質な出版活動が問題1)になっています。
このような学術雑誌は「predatory journal」と呼ばれ,日本語では「ハゲタカ・ジャーナル」,「粗悪学術誌」などと訳されています。しかるべき水準の品質管理を行わないままに論文が公表されるため,世界中で問題となっています。
学術雑誌「Nature」に掲載された調査2)によると,Beall's listなどの疑わしい雑誌のリスト(ブラックリスト)と,DOAJなどの問題ないと考えられる雑誌のリスト(ホワイトリスト)の間にすら重複がみられるとのことで,ハゲタカジャーナルについて,単一のリストだけで判断することは難しいとしています。そのため,複数のリストによるチェックが必要です。



Agnes Grudniewicz, David Moher, Kelly D Cobey, Gregory L Bryson, Samantha Cukier, Kristiann Allen, et al. Predatory journals: no definition, no defence. Nature. 2019;576(7786):210-212.より引用)

ハゲタカ・ジャーナルに掲載されるデメリット

ハゲタカ・ジャーナルに掲載されることによって,以下のようなデメリットが生じる可能性があります。3)4)

  • 自身の評価を下げ,研究活動への大きな支障が出る。
  • 不当な掲載料や論文取り下げ料の請求を受ける。
  • 取り下げを確認するまで二重投稿のリスクを抱える。
  • 所属研究機関の評価・信頼が損なわれる。

ハゲタカ・ジャーナルの見分け方

Think. Check. Submit.」で公開されている以下の確認項目5)をチェックすることにより,ハゲタカ・ジャーナルを見分けるヒントになります。

 あなたや同僚は,そのジャーナルについて知っていますか。
 そのジャーナルに投稿された論文を,以前読んだことはありますか。
 その出版社の連絡先はすぐに分かりますか。
 そのジャーナルは,どのような査読を行うか明白ですか。
 論文はあなたの選んだサービスの中で,きちんと索引されていますか。
 請求内容は明瞭ですか。
 編集委員会は,設置されていますか。
 その出版社は,出版・研究業界の団体やイニシアチブに参加していますか。
 その出版社は,
 「COPE:Committee on Publication Ethics」(出版規範委員会)
  に所属していますか。
 そのジャーナルがオープンアクセスの場合,
 「DOAJ:Directory of Open Access Journals」(オープンアクセス誌要覧)
  にリスト登録されていますか。
 そのジャーナルがオープンアクセスの場合,その出版社は
 「OASPA:Open Access Scholarly Publishers’ Association」(オープンアクセス学術出版社協会)
  に所属していますか。
 その出版社は,他の業界団体に属していますか。

メディアセンター関連情報

参考情報

お問い合わせ

  • 医学メディアセンター本館電子情報部門(柴田, 渡辺)
     TEL:03-3762-4151(内線:2477, 2445)
  • 習志野メディアセンター電子情報部門(吉田,江幡)
     TEL:047-472-1408(内線:5209)
  • Mail(両センター共通):mc-drs★ml.toho-u.jp
     ※★を@に変えてください。