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第53回「大災害発生時の医療:東日本大震災・福島第一原発事故を振り返って」

  • 更新日:2019/03/23

今回のテーマの主旨

 2011年3月11日、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0のかつてない規模の大地震が発生し、地震波やそれに伴い太平洋沿岸に押し寄せた津波、福島第一原発からの放射能漏出事故などで東日本を中心に多くの人的・物的被害がありました。死者・行方不明者の合計は2万人を超えており、物的被害額は地震・津波によるものだけでも政府の試算で16~25兆円とされています。非常に厳しい状況の中で、多くの医療関係者や自衛隊、消防隊員やボランティア等が被災地で復興支援活動を行っています。

 東日本大震災の復興支援はまだ始まったまったばかりです。今後、東海地震など太平洋沿岸で大地震が近い将来起きることが予想されており、今回起きたことを忘れず次に活かすことが求められます。東日本大震災や福島第一原発事故について振り返ると共に、災害発生時に求められる医療知識等について改めて知って頂きたいという思いから今回の展示会を開催し、災害医学や東日本大震災・福島第一原発事故等に関する図書や雑誌特集記事、各種資料を展示いたしました。

 また、東邦大学医療センター大森・大橋・佐倉病院からは、多くのスタッフが被災地での医療支援活動に参加されています。こちらについても本展示会にて展示いたしました。

展示場所は、1Fカウンター前です。
期間は7月19日(金)~9月3日(土)です。

以下の資料などを展示しました。

  • 大森病院救命救急センター吉原克則先生にご提供頂いた資料
  • 54冊の図書
  • 38件の特集記事

東日本大震災・福島第一原発事故概要

東日本大震災

2011年3月11日14時46分、宮城県三陸沖(牡鹿半島沖約130km地点、深さ24km)において、Mw9.0の東北地方太平洋沖地震が発生しました。この地震の規模は日本国内観測史上最大です。宮城県栗原市の震度7を筆頭に、東北・関東地方では軒並み震度5強~6強を観測しました。また日本全国においても、北は北海道から南は鹿児島までと広範囲で震度1以上を観測しています。

地震に伴い発生した大津波により、特に岩手県や宮城県、福島県を中心に、東北地方太平洋沿岸の多くの都市の沿岸部が壊滅的な被害を受けました。死亡者数・行方不明者数の合計は2万人を超えており、日本政府は物的被害について後述する福島第一原発事故によるものを除いた被害額を16~25兆円と試算しています。

福島第一原発事故

今回の地震の揺れと津波により、東京電力福島第一原子力発電所において、日本の原発の歴史上類を見ない放射能漏れ事故が起こりました。全ての外部電源及び非常用ディーゼル電源を喪失し、ECCS(非常用炉心冷却装置)が作動しなくなるなど原子炉を冷却することができなくなりました。結果、メルトダウン(炉心溶融)・水素爆発等により未曾有の放射能漏れ事故が発生しました。福島第一原発から半径20km圏内は立ち入りが禁止される「警戒区域」に指定されています。区域圏外についても累積の放射線量が高い地域については「計画的避難区域」に指定され、やはり避難を余儀なくされる地域が多くなっています。

IAEA(国際原子力機関)等が定めた国際原子力事象評価尺度では、1986年のチェルノブイリ原発事故と並ぶレベル7(深刻な事故)と判断されました。レベル7の事例は、原発の歴史上わずかに2例のみです。原発に対する関心が高まると同時に、放射能の恐ろしさを改めて知る事故となりました。地震大国である日本ですが、日本各地17か所に55の原発が設置されており、原発がない沖縄電力以外は10~50%強を原発に依存しています。

展示会の様子


メディアセンター入り口から入って見た表面の様子です。
表面には、掲示物の他一部図書や吉原克則先生よりご提供頂いたファイルを展示しました。



裏面の様子です。
こちらには、東日本大震災・福島第一原発事故に関連した雑誌特集記事を展示しました。
パネルにはコピー版の雑誌特集記事が貼り付けて有ります。また、1冊丸ごと特集されているものについては下の机の現物ごと展示しました。



またパネルのカウンター側の脇には54冊の図書が展示しました。

東邦大学医療センター大森・大橋・佐倉病院スタッフらの活躍

今回の展示会においてポスター展示ならびに活動を記した雑誌記事・論文やファイルを展示しました。

※東日本大震災被災地への医療支援活動の詳細については、ポスター及び東邦医学会雑誌・8巻3号(p.158-p.174)などをご参照ください。

また、東邦大学医療センター大森病院救命救急センターホームページに東日本大震災レポートが掲載されており、東京DMAT隊・日本DMAT隊・東邦大学医療派遣チームでの大森病院の医師・看護師らの活動報告が見られます。是非ご覧ください。

展示資料リスト:図書・雑誌

展示資料リストは、以下の文字をクリックしてください。別ページで表示されます。
なお、こちらの資料リストは、展示会終了後も関連本の情報を随時追加していきます。

地震・自然災害関連資料

災害医学関連資料

原子力発電・放射能関連資料

東日本大震災・福島第一原発事故関連資料