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L型T型デュアルカルシウムチャネルブロッカーの発見と展開難易度3 心筋収縮力とT型カルシウムチャネル
T型カルシウムチャネルが心筋収縮に関与しないことから、T型カルシウムチャネル遮断作用を併せ持つエホニジピンは前述のように強い徐脈作用を有する一方で心収縮力抑制はそれほど強くないことが予想されます。摘出心筋標本を用いた実験の結果、心室筋収縮力および右心室拍動数を30%減少させる濃度を指標として比較した場合、ニフェジピンおよびベラパミルは収縮力を減少させる強さが拍動数を減少させる強さとほぼ同程度であったのに対し、エホニジピンは収縮力を減少させる強さが拍動数を減少させる強さの300分の1以下であるという予想通りの結果が得られています (9) 。降圧薬の主作用ともいえる血管弛緩の強さを基準として同様の比較をすると、ベラパミルおよびジルチアゼムは心筋収縮力抑制作用が血管弛緩作用の3分の1、ニフェジピンは17分の1でしたが、エホニジピンは800分の1未満でした。このように心筋収縮力を低下させにくい薬剤は患者さんに投与した場合でも心拍出量を低下させにくく、心不全傾向のある場合でも心事故のリスクが少ないと期待されます。 ![]() |