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バーチャルラボラトリ 心筋−心臓は電気とカルシウムでイオン動いている!−
東邦大学 薬学部薬物学教室  
田中 光 行方 衣由紀 M口正悟
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心臓の収縮

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心筋の微細構造 カルシウムイオンが心臓を動かしている
 心筋細胞内カルシウムイオンの高速イメージング 心筋収縮の特性

心筋細胞内カルシウムイオンの高速イメージング

難易度3

共焦点レーザー顕微鏡

膜輸送蛋白を研究する上で、輸送蛋白質自身および輸送される分子やイオンの空間分布に関する情報は重要です。
共焦点レーザー走査顕微鏡と各種蛍光プローブを用いる手法は、厚みのある生物試料に関するさまざまな情報を光学的断層像として得られる点で優れており、近年急速に普及してきました。

共焦点レーザー顕微鏡

従来の光学顕微鏡との違い

従来の光学顕微鏡は標本全体を一様に照明し、標本全体の像を肉眼やビデオカメラで撮影して観察するという方法が用いられていました。
この方法では観察面において焦点からの光以外にその周辺から来る光をノイズとして含んでしまいます。特にZ軸方向(光軸方向)に関しては分解能が低いため深さ方向全ての情報を拾ってしまうことになります。

これに対して、共焦点レーザー走査顕微鏡は励起光を蛍光物質を含んだ試料内の焦点に集光させて、その点から発せられた蛍光のみをフォトマルチプライヤー等の検出器で検出します。共焦点レーザー顕微鏡の原理図
通常の光学顕微鏡と比較して焦点面内の分解能はもちろん、深さ方向の分解能が飛躍的に改善されるのが特徴です。測定条件によっても異なりますが、XYZ各方向に0.5ミクロン程度の分解能まで期待できます。

蛍光プローブ/カルシウム感受性蛍光プローブ

カルシウムイオンはそのままでは眼で見ることは出来ませんが、蛍光プローブという物質を用いると光信号として観測することが出来ます。Fluo-3はそのひとつですが、波長が488nmの青い光を当てるとカルシウムイオンの濃度に応じて波長が530nmの緑色の光(蛍光)を放ちます。また、Indo-1というプローブはカルシウムイオン濃度が上がるに従って蛍光の波長が500nmから400nmへと変化するので、カルシウムイオン濃度の変化を色の変化として観測することが出来ます。

蛍光プローブを用いた時に見られる蛍光スペクトルの模式図(各上)と蛍光プローブの構造式(各下)
【Fluo-3】
488nmの青い光を当てると、530nmの蛍光緑色の光を発する。カルシウムイオン濃度によって強度が違う。
【Indo-1】
カルシウムイオン濃度の変化を色の変化として観測することができる。
蛍光スペクトルの模式図と構造式:Fluo-3 蛍光スペクトルの模式図と構造式:Indo-1
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