野外生態学実習2 > 千葉県清和県民の森、小糸川・小櫃川・養老川流域 2004年度実施要項
担当 : 長谷川 雅美
地理生態学研究室URL:http://webbio.bio.sci.toho-u.ac.jp/lab_geoeco/geoeco.html
http://island.bio.sci.toho-u.ac.jp/geoeco/
テーマ
千葉県清和県民の森、小糸川・小櫃川・養老川流域の生物
実習の目的
- 自然環境を流域という視点から見る目を養う。
- 野外での生態調査を自主的に企画運営する経験を積む。
- 短期間の野外調査で一定の成果を出す経験を積む。
- 共同で作業し、成果をだす経験を積む。
- 調査の成果を地域に還元することを常に意識する。
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実施内容
- 外温性変温動物の運動能力の体温依存性
○渓流性カエル類の分布調査とカエルの体温測定
○温度勾配装置による水生生物の温度選好性実験(院生と卒業研究の演示実験)
渓流のカジカガエル、池のモリアオガエル、水田のシュレーゲルアオガエル、アマガエル
- 生息場所の温度環境把握
○温度自動記録センサーの設置による作用温度測定
両生類の生息場所別に、微環境の温度変化を測定し、生物にとっての温度環境条件を把握する。
- 動物個体群の基礎データ把握
○御腹川におけるイシガメの生息個体数推定(罠かけを2回行う):
- 記号放逐法による推定
- 年齢査定と成長曲線
- 形態の性的2型
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1.スケジュール : 2004年6月10日−14日 (4泊5日)
日付 |
時間 |
内容 |
6/10 |
17:00 |
大学ゼミ室集合 宿へ 夜間観察 |
6/11 |
午前 |
徳島駅前 新降車場着 |
午後 |
:カエル類の分布調査、温度自記記録センサーの設置
:夕方に怒田沢でカメ捕獲ワナの設置 |
6/12 |
午前 |
:カメ捕獲、測定、マーキング、放逐 |
午後 |
:レントゲンによる繁殖状況チェック |
6/13 |
午前 |
:カエル類の分布調査、温度自記記録センサーの設置 |
午後 |
:怒田沢でカメ捕獲ワナの設置 |
夜 |
:温度勾配装置による水生生物の温度選好性実験 |
6/14 |
午前 |
:カメ捕獲、測定、マーキング、放逐 |
午後 |
:温度記録センサーの回収 公用車で大学へ戻る |
9月某日 データの解析とレポート作成・発表 |
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2.集合場所 東邦大学
3.宿泊場所
6月10−11日、13日: 
※12日は満室のため一度大学、自宅へ戻る
4.個人持物
デイパック/水筒/雨具(合羽)/帽子/タオル/軍手/長袖シャツ/運動靴/長靴(あるいは地下足袋)/薬/ビニール袋/野帳/ルーペ/コンパス/筆記用具/ヘッドランプ/懐中電灯/実験用ゴム手袋
5.費用
宿泊費(10−11日、13日分、食費3食込み): 5,500円x3泊=16,500円
交通費: 14日は現地解散
参加者
3年 4名
引率:長谷川雅美 地理生態学研究室
TA:1名(修士課程)
お手伝い:研究室4年2名
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この実習で学ぶこと
- 野外調査の企画、準備、実行
- データの取り方
- データの整理・まとめ
- レポート作成
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レポートは2種類提出
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9月にレポート提出と口頭発表
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実習の作業スケジュール
日付 |
時間 |
内容 |
1日目 6/10(木) |
17:00 |
カメのワナ用餌の入手:京成大久保駅近くのスーパーマーケット
魚のあらを大型ゴミバケツに入れる
装備の点検(リストとの照合)
個人の荷物は、宅配便で鎌田屋さんに送っておくこと |
19:30 |
鎌田屋着 |
21:00- |
モリアオガエルの夜間観察、ジャンプ力測定
スポンジモデル、パイプモデルの作成とロガーの準備 |
2日目 6/11(金) |
7:00-8:00 |
朝食 |
8:30 |
移動 |
9:00-12:00 |
石塚にてカエル類の分布調査、発見個体の体温測定
データロガーの設置 |
13:30-18:00 |
御腹川にカメワナ設置 ワナかけ、ドーム型ワナ20ケ |
18:30 |
鎌田屋へもどる |
19:00-20:00 |
夕食 |
21:00 |
データ整理 |
3日目 6/12(土) |
7:00-8:00 |
朝食 |
8:30 |
移動 |
9:00-12:00 |
御腹川にてカメワナ回収、測定マーキング
河川環境調査 |
13:30-16:30 |
捕獲したカメの測定、メス以外は捕獲地点に放逐 |
17:30- |
雌の繁殖活動をソフトレントゲンでチェック

君津駅で一時解散 |
19:30 |
カメのワナ用餌の入手:京成大久保駅近くのスーパーマーケット
魚のあらを大型ゴミバケツに入れる |
20:00 |
大学へ戻る |
4日目 6/13(日) |
8:30 |
大学出発 |
10:00-15:00 |
石塚にて、両生類の産卵場所、幼生の生息場所調査 |
15:30-18:00 |
御腹川にカメワナ設置
ワナかけ、20ケ |
19:00-20:00 |
夕食 |
18:30 |
鎌田屋へもどる |
21:00- |
温度勾配装置による水生生物の温度選好性実験(演示実験)
実験対象は、アマガエル、シュレーゲルアオガエル、モリアオガエルの幼生(幼生は鎌田屋さんの田んぼとハス田から採集する |
5日目 6/14(月) |
7:00-8:00 |
朝食 |
8:30 |
出発 |
9:00-12:00 |
御腹川にてカメワナ回収、測定マーキング、放逐 |
13:30-15:00 |
石塚にて、データロガー回収 |
16:00 |
鎌田屋さんへもどり、帰り支度 |
データは、大学研究室にて回収 |
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河川の環境測定項目
- 流速−ピンポン玉またはスーパーボースを複数流してストップウォッチで時間測定
- 水温、気温
- 川の林冠鬱閉度−目測で林冠鬱閉度を%で記録
- 底質−川を横断するトランセクトを複数設置し、岸から岸までの間で底質の長さとその底質の始まり、中間、終わりの水深を記録する
- 底質の分類−泥、シルト、砂、れき、岩盤
- 河川構造のタイプ−瀬、淵、滝など
- カバー構造−水辺の植生、倒木、浮き石など
- 川岸の植生−ワナを設置した位置の上流と下流側10mの樹木の種類と樹高を記録
- 川幅−水の流れている部分と河原幅、最大増水時の川幅、水深
- 位置−千葉県メッシュ番号、市町村名、大字、小字、河川名、最寄りの橋名、GPSの緯度経度
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捕獲したカメ、魚類、水生昆虫の測定・記録項目
基本的記録測定項目は、種名、性別、体長、体重。その他必要に応じて測定項目を加味する。
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図鑑類及び参考文献
改訂版日本カエル図鑑 597(084)ニ
「カメとカエルに学ぶ野外生態学」|▲ページトップへ