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地域研究 > 生態系総合モニタリングモニタリングサイト:Monitoring sight谷津田 −Bottomland Rice Paddy−
稲が生育する春から夏まで、水田には常時水をたたえる必要がある。農村には、水を確保し利用するための水利施設がさまざまな形で整えられていた。水田は水田だけで存在し稲作が行われるのではなく、農村には水を確保するための水源かんよう林や溜池、水を引く用水路、使わない水を流す排水路、種籾を浸して発芽させるための湧水の小さな池、農耕馬や牛の体を洗う大きな池などがセットになって存在していた。また、農家の庭先に目を向ければ、常に水の絶えない井戸や、庭の池、雨上がりの水溜まりなど、さまざまな水辺がある。谷津田とはこの水系網が比較的小さな集水域に集約されて存在し、古くから水田耕作が行なわれてきた場所である。
カエル類は、現生両生類の主要なグループの1つである。両生という文字は水中と陸上という2つの環境を利用して生きることを意味しており、生態学的な命名方法と言える。このように2つの環境を利用するという性質のため、どちらか一方の環境が欠けても生活が成り立たないということになる。谷津田は谷底が水田、その周りが森林や草原となっていて、浅い水域と陸上環境がモザイク的に配置されている。そのため両生類にとっては非常に生活しやすい環境となっている。 |
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