生きている細胞の特徴は、エネルギーをつくりだすことであろう。細胞の中には赤血球や血小板のように核がなくて増殖しない細胞や好中球のように核はあっても分化し終わって増殖しない細胞もいるが、これらもエネルギー(ATP)はつくるからである。
私たちのからだをつくっている細胞はさまざまだが、それらにはある共通点がある。
細胞はリン脂質からつくられた膜で取り囲まれており、多くの細胞が内部に、核、ミトコンドリア、リソソーム、ゴルジ体、小胞体をもっている(図2参照)。
核ではDNAの複製、転写が起こり、小胞体ではタンパク質合成が起こる。ミトコンドリアはエネルギーをつくりだし、リソソームは取り込んだタンパク質などの消化にあたり、ゴルジ体はタンパク質に糖鎖を付加する。細胞の中にはたとえば肥満細胞や膵島B細胞のように顆粒に富む分泌細胞もいる。