からだの中には、死んだ細胞も現れる。もっとも有名なもののひとつは、発生過程で見られる「プログラム細胞死」とよばれるもので、たとえば胎児の指(肢芽)の間にみられる。胸腺で、そこでは死んだ細胞をマクロファージが取り込んでいる像が観察されている。この細胞の死に方はアポトーシスとよばれる。細胞のターンオーバーのときにも細胞はアポトーシスで死ぬ。
アポトーシスにおちいると、細胞膜は無傷のまま、細胞の大きさが小さくなる。さらに重要なことは、本来細胞膜の裏側に存在するフォスファチジルセリンというリン脂質が、アポトーシスのときには細胞膜の表側に移動する。この他にも生きた細胞には見られないアポトーシス細胞の特徴があるようで、これらをマクロファージが見分けているらしい。