![]() |
|||
|
|||
|
|||
| TOP | アミノ酸の化学 | もっと有機化学 | 最近の研究活動 | 研究室紹介 | プロフィ−ル | | |||
アミノ酸の化学−芳香族アミノ酸のブロム化『無保護アミノ酸の特徴として、液性を変えることによってアミノ基、カルボキシル基のイオン化の状態を変化させることが出来る。従って、反応性もコントロール出来るはずである。』![]() ![]() フェニルアラニン(1)のベンゼン環を直接ブロム化しようとすると、反応種であるBr+は、より反応性の高いアミノ基を攻撃する。すなわち、中性あるいは塩基性条件下ではアミノ基の孤立電子対がBr+と反応し2となってしまう。その結果、Br原子はアミノ基の電子を奪いBr-として脱離しようとする。すなわち、ブロム化剤は酸化的性質を示す。それが引き金となってカルボキシル基は容易に脱炭酸し、それに続く加水分解や種々の分解反応を起こすことが知られている(右図上,Route A)。 この様な作業仮説に従って、強酸性中(60%硫酸)でのブロム化を試みた。 この様に、「無保護アミノ酸は、そのpHを変えるだけで反応性をコントロール出来る」ということを示したことは、無保護アミノ酸の反応を開発する上で、非常に大きな意味を持つと考えられる。 参考文献:Y.Yokoyama, T.Yamaguchi, M.Sato, E.Kobayashi, Y.Murakami, H.Okuno, Chem. Pahrm. Bull., 54, 1715-1719 (2006). |