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バーチャルラボラトリ 心筋−心臓は電気とカルシウムでイオン動いている!−
東邦大学 薬学部薬物学教室  
田中 光 行方 衣由紀 M口正悟
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心筋の普遍性と多様性

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心筋の発達変化

難易度2

電気的性質

心筋は動物の発達段階(年齢)によっても変化します。

モルモットの発達に伴う心室筋活動電位波形の変化【胎児期】
 哺乳動物の心室筋は胎児期には成体とは異なった性質を持っています。静止状態での電位は成体よりも浅く、活動電位は立ち上がりがゆっくりで持続時間が数百ミリ秒あります。心室筋の細胞でも自発的に脱分極する傾向がみられます。これはペースメーカー細胞(洞房結節)と共通する性質です。

【出生後】
 発達が進むと静止電位が深まって自動能は消失し、活動電位は立ち上がりが急になり、持続時間はやや短縮します。胎児期に起こるこのような変化は多くの動物種に共通していますが、出生後には動物種毎に個性的な変化が起こります。

モルモットでは胎児期後半に短縮した活動電位持続時間が生後の発達とともに再び延長します。
一方、マウスやラットでは生後も持続時間の短縮が起こり、成体に見られる特徴的な波形に到達します。

胎児期にはどの種でもほぼ同じであった心筋が生後の発達とともに個性化し、モルモットはモルモットらしく、マウスはマウスらしくなるとも言えます。このような発達に伴う電気的性質の変化は、心筋に発現しているイオンチャネルの種類と数が変化することが原因です。モルモットでは胎児期後半にカリウムチャネル数の増加が起こり、出生後にカルシウムチャネル数の増加が起こります。マウスやラットでは生後もカリウムチャネルの数が増えるだけでなく、カリウムチャネルの中でも時間経過の早いタイプの割合が高まります。


細胞内カルシウムの制御

神経等による調節

エネルギー確保の仕組み

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