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バーチャルラボラトリ 心筋−心臓は電気とカルシウムでイオン動いている!−
東邦大学 薬学部薬物学教室  
田中 光 行方 衣由紀 M口正悟
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心臓に関する基礎知識

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心臓の構造と機能の概観 心収縮の一周期 ランゲンドルフ灌流心

ランゲンドルフ灌流心

難易度2

ランゲンドルフ灌流心とは

心臓は一生絶え間なく拍動を繰り返して全身に血液を送り出していますが、その拍動は電気信号が引き金となって起きています。
右心房の一部にペースメーカーの役割を果たす部位があり、ここから一定のリズムで電気信号が発生しているため心臓は規則的に拍動し続けることができるのです。

心臓の拍動に必要な酸素と栄養は生体内では血液から供給されています。心臓から送り出された血液が大動脈を通って体全体に向かう際に、その一部が心臓を出た直後に大動脈から分岐する冠血管(冠状動脈)を通って心臓自身を隅々まで灌流しています(冠循環)。この冠血管を通る血液の流れが阻害されると心筋が傷害を受け、狭心症心筋梗塞などの病気につながります。

 ラットの心臓の空中拍動実験

ここでご紹介する動画はラットの体から取り出した状態で心臓を拍動させたもので、ランゲンドルフ灌流心とよばれる方法です。

動画(ストリーミング)

この実験の様子を撮影した動画には衝撃的な映像が含まれています。

ラットの心臓が空中拍動する様子

ストリーミングがご覧になれない場合は
こちら(MPEG)でご覧下さい。

実験方法

大動脈に差し込んだチューブから冠血管に血液と類似の成分の塩溶液を流して酸素と栄養を供給し続け、心臓のペースメーカにより拍動させています。この状態で心臓の内部に圧センサーや電極を取り付け、拍動の力や電気信号の伝わり方を記録します。

実験の目的

ランゲンドルフ灌流心では、異常な電気信号を与える不整脈モデルや灌流を停止させる心筋梗塞モデルをつくることも可能で、私たちはこれらを用いて不整脈や冠血流障害から心臓を護る薬の開発に取り組んでいます。
また、灌流液中にコラゲナーゼという酵素を溶かして流すと心筋細胞同士をつないでいるコラーゲンという物質を溶かし、個々の心筋細胞を単離することができます。こうして得られた単離心筋細胞はカルシウムイメージングやパッチクランプ法などの実験に用いられます。

実験について

すべての実験は大学の倫理規定に従って行っております。

実験装置
実験略図
パッチクランプ実験設備
コラゲナーゼ

私たち生物の体は細胞の集合体であるといえますが、細胞同士をつなげている物質もあります。その代表がコラーゲンと呼ばれる繊維状のタンパクで、細胞同士をしっかり結びつけているだけでなく、組織の弾性や保水性を保つ機能も持っています。コラゲナーゼとはこのコラーゲンを切断する酵素です。これを心筋組織に作用させると細胞同士の接着がはがれ、単離心筋細胞を得ることが出来ます。ただし、作用させすぎると心筋細胞自体も痛めてしまいますので、酵素処理する時間や濃度など、実験者の経験によるさじ加減が重要です。

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