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東邦大学 薬学部薬物学教室  
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心臓に関する基礎知識

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心収縮の一周期 cardiac cycle

難易度2

心室内圧と心室容積の関係

下図の上の曲線は左心房および左心室の内圧と大動脈圧を示し、下の曲線は心室の容積を示しています。横軸は時間です。

A−B 心房収縮期
心房が収縮します。このとき僧帽弁は開いており心房内圧と心室内圧はほぼ等しく、心房の収縮のために心房内圧のほうがわずかに高くなっています。
B点
B点で心室の収縮が始まると心室内圧が上昇して心房内圧を超えて、僧帽弁が閉じます。
B−C 等容積性収縮期
このとき大動脈弁も閉じているので血液はどこへも流れ出さず、BからCにかけて心室内圧のみが高まり心室の容積は変わりません。
C点
C点で心室内圧が大動脈圧よりも高くなり、大動脈弁が開きます。
C−D 急速な拍出期
CからDにかけては大動脈弁は開いており、心室の収縮は続いているので心室内圧と大動脈圧とはほぼ等しく、血液は急速に大動脈へ流れ出し心室の容積は急激に減少します。
D−E 緩徐な拍出期
Dから心室の弛緩が始まりますが、心室内圧は大動脈圧よりもわずかに高く僧帽弁(左房室弁)は閉じたままですので、ゆっくりとですが血液は大動脈に送り出されます。

心収縮の一周期

E点
E点で心室内圧が大動脈圧以下となり大動脈弁が閉じます。
E−F 等容積性弛緩期
僧帽弁と大動脈弁の両弁が閉じているので心室の容積は変わらず、心室の弛緩にともなって心室内圧のみが急速に低下します。
*B−F
心室が収縮・弛緩をおこなっているB−Fにかけて、左心房には血液が戻ってきており心房内圧は徐々に高まっています。
F点
F点で左心室内圧が左心房内圧以下となると僧帽弁が開きます。
F−G 急速な流入期
血液は急速に左心房から左心室へと流入し、左心室の容積は急激に増加します。
G−A 緩徐な流入期

これで心収縮の一周期が終わり、次の心房収縮につながりますが、大部分の血液はF−Aの期間に心房から心室に流れ込むのであって、心房収縮によって心室に流入する血液の量はごくわずかです。

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