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バーチャルラボラトリ 心筋−心臓は電気とカルシウムでイオン動いている!−
東邦大学 薬学部薬物学教室  
田中 光 行方 衣由紀 M口正悟
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心臓の収縮

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心筋の微細構造

難易度2

 心筋は横紋を有する不随意筋です。

 横紋を有する点は骨格筋に、不随意の点は平滑筋に類似し、骨格筋と平滑筋の中間に位置する筋肉であると言われています。各細胞が分岐して相互に網状につながっている点が特徴で、これらのつながり部分を介在板( intercalated disk )といいます。この部分の電気抵抗は極めて低く、活動電位は極めて容易に伝導します。したがって洞房結節のペースメーカー細胞で発生した活動電位は短時間のうちに心臓を形成しているすべての心筋細胞に伝わります。

 ミトコンドリアを多く含むことも心筋細胞の特徴といえます。心臓は生涯休むことなく拍動し続けますが、この拍動に必要なエネルギー(ATP)を作り出しているのがミトコンドリアです。ミトコンドリアが効率よく働くには酸素が必要です。

 一般に、哺乳動物成体の心筋には筋小胞体や横行小管系( T細管、transverse system、T-system)もよく発達しています。
 筋小胞体はT細管と各所で接触しますが、これらの結びついた構造を ダイアッド diad と呼びます。これらの構造が心筋の活動電位が収縮を引き起こす際に重要な役割を果たします。

筋肉の分類 心室筋細胞の構造の模式図
ラット心室筋細胞横紋(横紋筋)

筋肉は形態によって横紋筋と平滑筋とに分類されます。
横紋筋とは、筋線維を顕微鏡で観察した時に縞模様(横縞)が見られる筋肉のことです。
右の写真はラットの心室筋細胞を顕微鏡で拡大したものです。筋線維の表面を横切るように濃淡の縞模様が確認できます。
一方、平滑筋にはこの縞模様は見られず、横紋筋(骨格筋や心筋)に比べて収縮が非常にゆっくりであるという特徴があります。

不随意筋

筋肉は支配する神経によって随意筋と不随意筋とに分類されます。
随意筋とは、自分の意志で動かすことのできる筋肉です。これとは反対に、自分の意志では動かすことのできない筋肉を不随意筋と呼びます。
随意筋は運動神経に、不随意筋は自律神経によって制御されており、胃・腸・心臓などの内臓を動かしている筋肉は全て不随意筋です。

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