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東邦大学 薬学部薬物学教室  
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心臓の電気現象

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心電図

難易度2

一般的な心電図

洞房結節に発生した活動電位は心臓全体に伝わります。それらの電気活動の総和として体表面からとらえられる電気現象が 心電図 electrocardiogram であり、心電図を検査することを 心電(図)法 electrocardiography-ECG,electrokardiographie-EKG 、その装置を 心電計 electrocardiograph と呼びます。

 記録法

もっとも一般的な記録法は 標準肢誘導 Standard limb leads と呼ばれるもので、導出も容易です。左右の腕と左脚に電極を取りつけ、次のような2極間の電位を測定します。

標準肢誘導略図
  1. 第1誘導( lead I ):右腕−−−左腕
  2. 第2誘導( lead II ):右腕−−−左脚
  3. 第3誘導( lead III ):左腕−−−左脚

右腕、左腕、左脚の電位を R L F とすると各誘導で記録される電位差 I 、 II 、 III は
I=L-R 、II=F-R 、III=F-L となるので I+III=II という関係が成り立ちます。

 心電図の基本的な波形

標準的な心電図と波形各部につけられた名称を右図に示します。
標準的に出現する波にはP波、QRS波、T波、という名称がつけられており、成因は次のとおりです。

  1. P波  :心房中を活動電位が伝播することによって生ずる波
  2. QRS波:心室筋に活動電位が生ずることにより生ずる波
  3. T波  :心室の活動電位が消退することにより生ずる波
  4. U波  :成因その他が不明

心電図を測定すると心臓活動に関するさまざまな情報を得ることができます。
【 例えば 】
PからRまでの時間( PR間隔 )が心房から心室に興奮が伝わる時間( 房室伝導時間 )に相当することはすぐに理解できることでしょう。

また、各種の疾患に対応して特徴的な心電図が得られるので、診断上有力な手段となります。不整脈の診断などには不可欠のもので、虚血性心疾患に見られるST部の特徴的な変化などはよく知られています。

心電図の基本的な波形
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