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生物多様性

生物の分類体系:Biosystematics

 生物の分類体系は、共通する特徴によって種を階層的にまとめ上げていくシステムです。体系化の仕方にはさまざまな方法があり得ますが、現代の生物学が採用しているのは、18世紀にリンネ(C.von Linne)が発案した分類体系です。


生物の分類体系

 生物分類の基礎は種の記載(α分類)であり、その種を分類体系に位置付け、進化の歴史(系統進化)を推定すること(β分類)です。なぜ、そのような進化が起きたのか、その仕組みを明らかにする段階をγ分類とよぶことがあり、それはまさに進化生物学といえるでしょう。

α(アルファ)分類

 自然を構成する要素である種と呼ばれる個体の集合を自然の中から見つけだすこと。種を区別し、命名し、記載する。そのために、以下の手順を踏む。

  1. 形質(便宜的に分類使用とする生物個体の形態)の特徴を明確にし、言葉と図を用いて表現する。
  2. 記載した形質を解析し、既知の種と対比・照合して、所属すべき分類群を定める。
  3. 他種との類縁関係を分析し、所属する分類群の中での位置付けをす。
  4. 学名を決定する。
  5. 手元にある個体が既知のどの種にも属さないことが明らかになった場合には、上記1−4の作業を新種の記載として行い、この記載に用いた個体を基準(タイプ)標本として指定し、しかるべき研究機関(自然史博物館など)に保管と管理をゆだねる。

β(ベータ)分類

生物間の関係を明らかにし、その関係にそって生物を整理すること。現在信じられている生物間の関係は進化であるから、進化のパタンを明らかにすることが目的となる。
 具体的には、系統樹の作成と分類体系の構築を行うこと。整理の結果が表される分類体系(一般参照体系)として、現在大多数の分類学者はリンネ式階層分類体系を採用している。

γ(ガンマ)分類

 生物の多様性をもたらした機構の解明。種内変異および近縁種間の生物学的な関係を解析することで、種分化(Speciation)の機構を明らかにする。分子遺伝情報の有効活用によって、種超階級における分類群間の進化史を科学的に追求する道が開かれた。進化生物学と呼ばれる現代生物学の一分野と広く重なり合っている。

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