
四国や九州の一部の明るい林の内に生える蔓性の常緑多年草。絶滅危惧種。スズカケソウの仲間で草姿はイスミスズカケと似ている。花は2cmほどの短い穂状。イスミスズカケの花は毬状に咲くので区別ができる。
当薬草園にはAさんが20年ほど前にスズカケソウと一緒に持ちこんだ、九州産とされるトラノオスズカケがある。育ててみると結構丈夫だ。条件が良ければ1年で1.5mくらい伸びる。地面を這うように茎を伸ばし土に付いたところから発根して新芽を出す。各節からも芽が出る。すごく強い植物である。夏の暑さにも強く、花期には毎年きれいに花を咲かせていてくれる。何年も作っていると株が充実するからか、新芽が太い鉛筆ほどの太さになり見事に育つ。開花までには少し時間がかかるが丈夫で作りやすく、挿し木で簡単に増やせる。
私は栽培する植物の自生地を見たことがない場合には、各地の植物誌や図鑑などから自生状態を想像する。インターネットの情報もとても参考になる。
当薬草園のトラノオスズカケは他のスズカケソウ達よりも水が好きなようだ。自生地は湿り気のある場所だろうと想像できる。また、花が咲くとやたらとアリが花に寄ってくる。そうなると、自生地ではどのような虫たちが集まっているのかが気になる。ハナアブやハナバチといった翅のある昆虫よりもアリが圧倒的に多い場所なのだろうか。観察を続けると面白いことがわかるかもしれない。
(トラノオスズカケ/オオバコ科 2023年12月.記)