色についての基本知識-1-
魚の色の発現と変化のしくみをよく理解するために、色の見える仕組みを簡単に復習しておきましょう。
光の反射と色のしくみ
光と色の3原色
私たちの目は、光の量によって、明暗を、光の波長によって色を認識しています。光量を判断する視細胞を桿体、波長を区別する視細胞を錐体と呼び、ともに網膜にあります。
青色に見える、ということは、対象物が反射した430-490nmの光の波長を網膜が受け止めて脳がそれを認識しているのです。
色には、「光の3原色」と「色の3原色」があります。
この、3原色ですが、これは人間の波長を感じる視細胞(錐体)が3種類あるために3原色となっています。
錐体が2種類しかない動物(夜行性哺乳類)の目には、2原色の世界が展開していることになります。
全ての生き物にまったく同じ色に見えるわけではないのです。
両生類や鳥は、この錐体を4種類持っており、魚も4種類、もしくはそれ以上持っています。
哺乳動物に比べて羽毛や皮膚色の色彩バリエーションが豊富なのは、それを見分ける能力があるからなのでしょう。
光の3原色
光の3原色は赤・緑・青で、この3色から他の全ての色が生まれます。円の重なっている部分は、重なる色の混色です。赤と緑で黄色を作り出しています。光の3原色を全て混ぜ合わせると白(無色)になります。
TVや今ご覧になっているモニタはこの人間の視細胞(錐体)に合わせた3色の発光の組み合わせによって、様々な色合いを表現しているのです。
この光の3原色をすべて100%反射すると白(無色透明)になり、50%ずつなら灰色に見えます。
赤を100%、青0%、緑を100%なら黄色になります。
色の3原色
色の3原色は主に印刷物に使うインクなどを扱う時に用いられます。色の3原色は、シアン・マゼンダ・イエローです。
ピンクやオレンジ、紫などの色はこの3色を混ぜ合わせることによって作られます。
この3色にブラックを加えた4色をプロセスカラーと呼びます。目に見える色彩の中で、インクで表現できる色には限りがあります。
インクや写真の色は、その色に見えている物質に依存しています。色の3原色を全て混ぜ合わせると黒(※)になります。
※実際に絵の具やインクで試すと濃い 茶や灰色になります。そのため、印刷などに利用される場合には混色ではなく、黒の単色を利用します。
光吸収物質(色素)によって表現される色
赤い色はなぜ赤く見えるのか
赤い色紙は赤の波長域だけを反射し、残りの波長は吸収している状態です。青い色紙は青の波長域だけを反射、また、黄色い色紙は赤と緑の波長域を一定量反射しているため、黄色く見えます(上図1.RedとGreenが交わったところ)。
白い色はなぜ白く見えるのか
白い紙は全ての波長を100%反射しているために白く見えます(上図1.3色が交わったところ)。
黒い色はなぜ黒く見えるのか
黒い紙は全ての波長を100%吸収してしまっているため、反射する光がなく、黒く見えます。夜、明かりがまったくないところで何もかもが黒く見えてしまうのは、反射するべき光がないからです。
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