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薬草園の世界
東邦大学名誉教授
小池 一男

12月-Decmber-


ツルウメモドキ
(実)
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クロガキ
(実)
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ジャスミン

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イロハモミジ

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ハボタン

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カキ(カキノキ)

 カキノキ科カキノキ属 本州、四国、九州の山中にはえるヤマガキ var. sylvestris Makino を原種とし、改良されて広く栽植される落葉高木。花期は初夏。

 学名 Diospyros kaki Thunb.
 属名 Diospyrisはギリシャ語の dion(神)とpyros(穀物)との合成で、
    食用となる果実に由来する。種形容語 kaki は和名より。
 和名由来には諸説あり、
  ‘赤黄(あかき)により、紅葉と果実の色にちなむ'(「APG牧野植物図鑑 II スタンダード版」)、
  ‘朝鮮語説'、‘カキ(欠)の意、枝をカキて実をとるため'、他(「図説 花と樹の大事典」)
などがある。

 カキは秋の味覚の代表格であることは言わずもがな。軒先に渋柿を吊るせば、冬空の水色とのコントラストが目にも鮮やかな風景に。干し柿は、お正月頃にはいただけそうだろうか。これからの季節に何かと嬉しい実りだ。食用の他、柿渋を採り、紙に塗って乾燥させると硬く頑丈になり防水機能も有するようになるため、かつてはうちわや傘、紙衣の材料として用いられたという。また、温かみのある素朴な味わいの衣料品・日用品の染料としても身近な存在と言えるだろう。
 最近は、防臭効果を期待する日用品もあり、通信販売のサイトなどでも多く見られる。

カレンダー写真は、クロガキの苗を購入しキャンパスに栽植したもの。クロガキは甘柿の変種。突然変異で、実の皮と果肉の黒色が濃くなったのだそう。

カキの花は、2016年5月のカレンダーでご覧いただけます。

そうそう。カキを収穫するときには、ひとつだけ採らずに残すことをお忘れなく。理由は、キーワード「木守柿」で調べてみていただきたい。

11月-November-


サキシマフヨウ

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ノジギク

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シラユキツユクサ

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オッタチカンギク

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セイヨウヒイラギ

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重陽の宴に菊の伝承−テッケン山の菊水伝説より

  むかしむかしの中国。魏の文帝の命により、魔法の水を求めて人の住まない深い森に分け入った役人が少年に出会った。聞けば、少年は名を慈童といって800年前の周の王に仕えていたという、にわかには信じられない身の上。問答の末にわかったことは、少年は仙人であった。

 話はこうである。
 あるとき慈童は誤って王の枕を跨いでしまった。この罪により、都から300里も離れた昼なお暗く鳥も鳴かない、狼虎の棲むテッケン山へ配流と決まった。これを不憫に思った王は、天竺で仏様から授かった経文の二句を慈童にそっと授け、「毎朝十方に礼をし、これを唱えるように。」と言った。そして慈童は遂に深山幽谷の底に捨てられてしまう。
 言いつけ通り、王から授けられた経文を毎朝唱えていたが、忘れたりしないようにと仮小屋の側に生えていたキクの葉の裏に句を書き留めておいた。この葉に溜まった露が下の流れにひとしずくずつ滴り落ち、その川の水が天の霊薬になったのだそう。あるとき喉が渇いた慈童がこの水を飲むととても甘く、何よりも美味であった。
 それからは、狼虎が畏れて近づかなくなったばかりか、不老不死の長寿を保ち、800年あまり経ってもなお、当時の少年の姿なのだという。そして、この川の下流に住む人々は病気が治り不老不死を得た。

 これこそが文帝の求めていた魔法の水。
 魏の文帝に召し出された慈童は名を彭祖(ほうそ)と変えて文帝に仕え、仙術を授けた。これを受け、文帝は旧暦9月9日に菊花の盃を称える宴を催し、「万年も長寿であるように」と寿いだいう。
 これが重陽の宴のはじまりといわれる。

 時の権力者、魏の皇帝の催す宴とはどのようなものだったのでしょう。秋の夜、盃に菊の花弁を浮かべて盆に乗せ、遠い昔に思いを馳せるのも良いかもしれません。尤も、お経が書かれたのは葉の裏ということですから、花ではなくて葉のほうがご利益があるでしょうか。

10月-October-


オケラ

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リンドウ

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オジギソウ

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シラカシ
(実)
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セイバンモロコシ

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お正月に欠かせない植物

 キク科オケラ属の多年草 本州以南の山地の乾いたところに生える 高さは30-60cmほど
 和名: 朮(おけら) 漢名: 白朮(びゃくじゅつ)
 和名由来はいくつかあるが、ウケラが転訛してオケラとなったといわれる。
 ウケラについては、「植物の漢字語源辞典(東京堂出版)」‘朮’の項に、オケラの「和名の古語はウケラで、ウブ(生)ケ(毛)ラ(接尾語)が語源」とある。産毛のようにフワフワとしてなよやかに風に揺れる様子が想像される。

 日本で初めて‘オケラ’が文献に登場したのは日本書紀だという。実に1300年以上も昔のことである。天武14年(685年)に百済の僧が美濃に派遣され、病気治癒のために白朮を煎じて褒美を得たのだとか。そして、この白朮がオケラのことだそうである。

 オケラには古くから邪気と悪臭を払い、疫病を除く効果があるとされた。江戸時代には、焚いて燻らせれば湿気を払い衣類の虫を除けるという、主婦の味方のオケラを売る「ウケラ売り」がいたという。
 京都の八坂神社をご存知だろうか。八坂神社では大みそかに朮祭(をけらまつり)という祭事がある。オケラの根茎が焚かれ、この火を持ち帰って神棚の灯明にしたり、新年の雑煮を作り無病息災を祈る。八坂神社のWEBサイトには“移した火を消さないように火縄をくるくると回しながらの「をけら詣り」は京都のお正月を代表する風物詩です。”とある。
 また、お正月にいただく「お屠蘇」にはこの白朮が含まれる。知らないうちにオケラのご利益をいただいていたようだ。

9月-September-


ゴンズイ

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シソ

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キバナコスモス

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オオアレチノギク

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ヒレアザミ

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ゴンズイ

 ゴンズイ[権萃] ミツバウツギ科の落葉小高木
 高さ5-6mがふつうであるが、8mに達するものもある。
 関東地方以西、四国、九州、琉球列島、および台湾、中国の暖帯に分布する。山野の林にはえる。花期は5-6月。鮮やかなさく果に比べて花は緑色で小さく目立たない。
 学名 Euscaphis japonica Kaniz

属名「Euscaphis」 は、美しいさく果の意味である一方で、和名の由来としては諸説あるが、いずれもあまり好意的な命名とは言えない。


◆和名由来◆
・ゴシュユ(呉茱萸)を古くはコニスイと記し、これが転じてゴンズイとなり、この植物にあてられた。
・権萃は当て字で、古くは樗の字を誤用した。とりたてて役に立たない木なので、同じく役に立たない魚の名であるゴンズイを名称とした。
・実が燗熟し老化するさまや、わきがのような臭気を天人の五衰に見立て、さらに忌み言葉として「五瑞」を当てたのが転訛した。
 − 「花と樹の大事典」より引用改編

材は臭気があり、薪材などの用途しかない。

「ゴンズイ」でWEB検索を行なうとナマズ目の魚のゴンズイがヒットするので、検索ワードには是非、「植物」と追加して試してみていただきたい。

8月-August-


デュランタ

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ホソバ
ヒナウスユキソウ

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キバナツノゴマ

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レンゲショウマ

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シナノキンバイ

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森の妖精 レンゲショウマ

 キンポウゲ科の多年草。一属一種の日本固有の植物。
 本州中部の深山の落葉広葉樹林などに生える。高さ40-80cmほどになる。
 夏から秋にかけて茎の上部に花茎を伸ばし、先端に約3cmの淡い紫色の花が下向きに開く。
 学名 Anemonopsis macrophylla Sieb.et Zucc.

 俯き加減に咲く花の形がハス(蓮)の花を思わせるところから、レンゲ(蓮華)の名がついた。ショウマ(升麻)とは、同じキンポウゲ科の植物で、若葉を湯や水にさらして食用とするサラシナショウマ(晒菜升麻) のことで、これに葉の形が似ていることから「レンゲショウマ(蓮華升麻)」。  別名 : クサレンゲ

 山野草としてとても人気が高く、採取により数が急激に減少している地域もあり、6都県で絶滅危惧T類に指定、U類、準絶滅危惧種を合わせるとその地域は11都県に及ぶ。

7月-July-


アズキ

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モミジアオイ

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ホウオウシャジン

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キョウチクトウ
(八重)
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チシマギキョウ

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ホウオウシャジン 鳳凰沙参

この年は、白花を見せてくれる、と。鳳凰小屋の親父さんから咲いたよと電話が来てすぐに駆け付ける。 酒2升を背負い夜叉神峠から入り三山を縦走し小屋に着く。翌日登山客が皆出て行ってから案内をしてもらう。念願の白花が見られ、その時一緒に撮った1枚。
ウラシマツツジを手前に入れ咲き競うホウオウシャジン。今では乱獲され数株がかろうじてあるとか。

(イワシャジンの変種)

 イワシャジン (岩沙参)
 キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草  高さ30cmほどになる
 学名 Adenophora takedae var. takedae
 本州の関東地方西部から中部地東南部に分布する。低地から山地の、渓谷付近の日の当たる岩場に生息する  和名は岩場に生える沙参(シャジン)(ツリガネンニンジンの仲間)の意。

 変種のホウオウシャジン(学名 A. takedae var. howazana)は、本種の高山型で、全体に小形。南アルプスの鳳凰三山のみに分布する。

 イワシャジンは 2009年10月2015年9月 にも登場しています。

6月-June-


ゴボウ
(蕾)
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アヤメ

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トウネズミモチ

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ノカンゾウ

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アジサイ

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菖蒲 ショウブ?アヤメ?

 キジカクシ目アヤメ科アヤメ属 学名:Iris sanguinea
 日本各地、朝鮮半島、中国東北部、東シベリアに分布し、山野にはえる多年草。
 同じアヤメ科のカキツバタやノハナショウブのように湿地に生えることは稀。
 高さ30-60cmで群生する。花期は初夏、径7-8cm。

 アヤメの和名漢字表記は、文目、綾目または菖蒲。
 「菖蒲」はショウブとも読まれる。ショウブは端午の節句に菖蒲湯として利用される植物で、漢字表記は同じだが、ショウブ目ショウブ科に属する。学名:Acorus calamus

 『花と樹の大事典』によると、かつてショウブとアヤメは区別されておらず、ショウブは漢名「菖蒲」に読み仮名をふってアヤメと呼ばれていた。江戸時代になりアヤメという呼び方は廃れて菖蒲は漢字の音読みでショウブと呼ばれ、花の咲く菖蒲(アヤメのこと)は花菖蒲と呼ばれるようになった。アヤメがアヤメ属をさすようになったのは18世紀になってからという。

 きっぱりとした迷いのない緩やかな曲線を描く葉に囲まれ、まっすぐに伸びた茎の先に、その存在を主張するように濃い紫色の美しい花をつける様子は初夏の強い日差しの中でもとても涼やかに見える。
 華やかなアヤメに対し、ショウブの花はとても地味である。また、湿地に群生するショウブに対しアヤメは山地に生える。

5月-May-


ヘンルーダ

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ベニバナトチノキ

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アブラギリ

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クモイイカリソウ

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タチビャクブ

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フィルムに収められた思い出の植物

■クモイイカリソウ : 雲居碇草

40年ほど前は鳩待峠から至仏山を経て尾瀬ヶ原に下りられたが、今は蛇紋岩がすごく滑り危険な為下りられなくなり鳩待峠にピストン。頂上付近の露岩している隙間にクモイイカリをはじめ固有種が数種類見る事が出来る好きな場所、地味なオゼソウなども一緒に見る事が出来る。ここに来ると1時間は岩の上で高山蝶を良く待った。

 メギ科イカリソウ属 本州(至仏山、谷川岳、岩手県)の亜高山から山地の蛇紋岩地の岩礫地などで見られる。 高さ15-25cmほど。花期は6-7月。
 絶滅危惧Ⅱ類に指定されている日本固有種。低山地に多いイカリソウの変種。葉裏には短い毛が生えており、縁に褐色の縁取りがある。

4月-April-


アイスランドポピー

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イカリソウ
(秩父紅)
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クサノオウ

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アカマツ

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ヒメライラック

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アカマツ

■アカマツ (フィルム写真)

約40年ほど前の豪雪の年。
知り合いのペンションオーナーに呼ばれマツタケとツガタケが生えるシロを教えてくれると言われ遠目に見に行った時の写真。なぜか私に色々と教えてくれた有難い恩人の一人。

 マツ科マツ属 高さ30m〜40m、大きいもので50m直径2.5mほどにもなる常緑針葉高木
 北海道南部から九州の山野にはえ、北方では海岸近くにはえ、植林もされる。

 和名「アカマツ」は樹皮の色から。
 樹皮の黒いマツを「クロマツ」といい、アカマツをオナゴマツと呼ぶのに対し、クロマツをオトコマツとも呼ぶ。

 アカマツはやせた土地でも乾燥にも耐えて生育する。萌芽力があり剪定に耐え、大木の移植も可能な逞しい樹木である一方、大気汚染に弱く、病害虫が著しい。「知っておきたい100の木」(田中潔氏著/主婦の友社)によれば、センチュウとそれを運ぶ外来生物のカミキリムシのダブルアタックにはとても弱く侵入病害に対してアカマツ、クロマツは抵抗力がないそう。病気に強いアカマツを選抜中でアカマツには抵抗性候補木が見つかっているがクロマツの選抜は難航しているという。マツ類は針葉樹の中の新参者。生き残るには病害獣虫や気象害をクリアする必要がある。アカマツは大丈夫かもしれないがクロマツはどうだろうか・・・

  アカマツの材は主に土木、建築パルプなどに利用される。さまざまな道具類にも。マツの樹脂を松脂といい、擦弦楽器の弓に塗布したり、和弓の制作に用いたりする。また、樹脂を含み燃えると高温を発生する性質から、古くから燃料として重宝されてきた。

3月-March-


キバナ
セツブンソウ
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クロモジ

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ハナモモ

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セツブンソウ
群生
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コイワウチワ

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イワウチワ

■コイワウチワ (フィルム写真)

奥多摩、川苔山付近の斜面のやや湿った場所。
養蚕の為の桑畑跡らしき場所。時期をずらせばニリンソウやスミレなどの花ばなが咲くところ。コイワウチワの花の時期を狙いバッチリ逢った時の1枚。

 ツツジ目 イワウメ科 イワウチワ属の常緑の多年草。 花期は4-5月。関東地方と東北地方南部の太平洋側の低山帯にはえる。山地の林松のやや暗い、岩が出ている周辺でみられる。
 葉は広い円形で基部は心形。地域により変種もあり、北陸から近畿でみられるものをトクワカソウ、東北はオオイワウチワ。

 和名漢字表記 「岩団扇」は、岩上に多く葉形が団扇に似ていることから。
 別名をイワザクラ(山形県鶴岡、埼玉県秩父あたり)

2月-February-


キクザキ
リュウキンカ
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ノイバラ
(実)
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イランイラン

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セイタカアワダチソウ
(実)
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ダイオウショウ
(実)
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ノイバラ

滝の凍った風景を撮りに行ったとき気温−6℃気持ち涼しいかなと思い遊歩道を歩いていると霜が付いたノイバラを発見。思わずシャッターを切る。

 バラ科の落葉低木。
 日本各地および朝鮮半島の原野、河畔に生える。高さ2mほどになり、盛んに枝分かれし茂みをつくる。直径2cmほどの花は初夏に開花。白色あるいは淡紅色を帯び、芳香を放つ。
 和名「野茨」の由来は、野外に生えるイバラの意で、イバラは野毛のある低木の総称。
 古名を万葉仮名で「宇万良(うまら)」。のちに転じてイバラとなった。
 別名「野薔薇」は、漢名も同じく「野薔薇 [ Yěqiángwēi ] 」と表記。
果実は落葉語も残り、乾燥したものは薬用として利用される。これを漢名「営実(エイジツ)」と言い、赤い星、火星を意味するそう。写真は放射状についた霜を全身にまとい、まさしく星のよう!

1月-January-


ナギイカダ
(実)
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カンツバキ

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シダレヤナギ

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セイヨウタンポポ
(綿毛)
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シモバシラ
(霜柱)
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シモバシラ

 シソ科の多年草。 関東地方以西、四国、九州の山地に生える。日本特産種。
高さ約60cmほどになる。

和名「シモバシラ」の由来は、冬、枯れた茎の根元に霜柱のような氷の結晶ができるため。ユキヨセソウの別名もある。
学名 Keiskea japonica Miq. 属名は、植物学者伊藤圭介の名にちなむ。

霜柱の形成 解説:薬草園スタッフ

冬になり、シモバシラの地上部は枯れますが根は生きています。枯れた茎は少しずつ割れます。
吸い上げられた水が毛細管現象により、枯れた茎の中を上がってゆきます。
この時、茎の中では水のままですが、浸みだして外気に触れ、冷やされて霜状になります。
茎の中の水が凍ることで膨張して更に割れ目が開き、押し出されるように霜が成長します。
日に当たると融け、夜にまた凍ります。

▼縦に割けた茎から押し出されるように霜が成長する

 霜柱が形成されるには百葉箱の温度で0℃。地面付近の温度でマイナス2〜3度が最もできやすいようです。
見られる期間は、習志野キャンパスでは初回から2〜3週間ほど。条件が整えば同じ茎で10回ほどこの現象が見られます。

 茎が凍って溶け、凍って溶け・・・を繰り返し、裂け目が大きくなると水が上がらなくなり、この現象を見る事が出来なくなります。毛細管現象がおこるのに適した隙間というものがあり、一定以上の太い隙間になると現象が見られなくなります。
他の植物でシソ科の一部の植物でもシモバシラほどではありませんが見る事が出来ます。

 シモバシラの花は 2011年10月のカレンダー でご覧いただけます。

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Copyright Yoshiko Hosoda
著作権者 細田凱子

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参考図書

参考Webサイト

‘PICK UP’ 文責:習志野メディアセンター(バーチャルラボラトリ担当)