ツツジ目 ツバキ科 ツバキ属
四国、九州、琉球列島の日当たりのよい山地に生える常緑広葉樹。
佐賀県脊振山の純林は千石山サザンカ自生北限地として国の天然記念物に指定されている。近年の調査では、山口県萩市付近の山中に自生の北限がみつかっている。
野生では白色だが、園芸種には桃・赤などの色がある。
和名サザンカには 山茶花 の漢字をあてる。
学名 Camellia sasanqua
漢名 茶梅 [ Chá méi ]
中国語で 茶花[ cháhuā ]、
あるいは 山茶[ shānchá ] とは ツバキのことで
ツバキの漢名が 山茶[ shānchá ]
古くはツバキと厳密に区別されていなかったとみられ、古い文献にサザンカの名は見られず、15世紀ごろからようやく「 山茶花 」が登場。当時は‘さんざか’と読み、江戸時代になって‘さざんか’の名が広まった。もともと日本に自生する植物なのだが、山茶花以前の名前は不明という。
方言に、こつばき(大分県南海部)、しろつばき(鹿児島県奄美大島地方)、ひめつばき(長崎県南松浦、壱岐島、五島)、やまつばき(長崎県南高来、熊本県下益城)。
かてし、かてしのき、かたせ、うめがたし(九州、市億、島根県)などがある。
サザンカ が ツバキ と混同されてしまう一方、ツバキの方言にも、かたし、かてし、かたしのき、かてしのき などサザンカに共通する呼び名があるところを見ると、やはり見分けにくく、同じ植物だと思っている人が大多数だったのであろうことが想像される。
サザンカの方言の記録が九州、四国地方に集中する一方で、ツバキは青森県、岩手県(つばぎ)、富山県(がっこ)、島根県(ぺーろ)、沖縄県(ちばき)と、南北に広く存在する。もちろん、江戸時代の江戸においてもツバキは植えられていたもよう。二代将軍徳川秀忠は特にお気に入りだったとか。
サザンカとツバキのもっとも簡単な見分け方は落花の姿だといい、
サザンカは花弁がバラバラに散るのに対し、ツバキは花弁と雄しべが一緒に落ちる。
