キク科 フキ属
学名 Petasites japonicus
日本や朝鮮半島、中国に分布。
山野の湿った林下にや道端にはえる多年草で、各地で食用に栽培される。
早春に地下茎の先に独立した花茎を出し、開花する。花後、花茎は身にまとった鱗片葉を交互に広げながら高さ40cmほどに伸びる。独特な形をした普通葉は地下茎から伸びてくる。煮物などに利用される葉柄の長さは30〜80cmほど。若い花茎をフキノトウといい、葉柄とともに食用、薬用に用いる。
食用として国内に流通する栽培品種の大半を愛知県産が占める。「愛知早生ふき」といい、自生するフキに比べ、特有の苦みやアクが少なく、やわらかい。
フキの変種にアキタブキがある。和名の由来は秋田に自生したことによる。東北地方から北海道にかけて自生し、葉柄は1〜2m。葉の直径は1.5mにもなる。アイヌの小さな神様コロボックルは、アキタブキの葉の下に隠れ、道行く人に悪戯をしたり、手助けをしたりするという。‘コロボックル’はアイヌ語で「フキの葉の下に住む人」の意味。
葛飾北斎は、アキタブキの大きな葉を傘代わりに被る人の様子を描いている。国立国会図書館デジタルコレクションでは、明治11年に出版された北斎漫画の中に掲載されている「出羽 秋田の蕗」を閲覧することができる。
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北斎漫画.7編 岩崎常正 著 (本草図譜刊行会) 20/34ページを参照
フキの花は 2013年3月のカレンダーでもご覧いただくことができます。
