ロシア・極東プリモーリエ地区に点在する鉱泉を訪ねて

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図1 > 図2 > 図3 

海岸でのキャンプ


写真47釣果

 最後の鉱泉にてサンプルを採取し、途中大きな川の河原で休憩をとりながら次のキャンプ地へと車を進めました。河原で休憩をとるとヴァレンチーナ氏は川水の採取とその処理に追われ、我々も水のろ過等の処理を手伝ったりとできる事はサポートしていました。大切な釣り道具を持ってきた庸介は釣りを試みましたが小さな魚ばかりで面白く無さそうでしたが、一度、私の足を刺そうと寄ってきた大きいアブをたたいてそれを釣り針に刺しえさとして釣ったところ、十数cmのヤマメの様な魚が釣れました(写真47)。荒らされておらず、投げ込めば当たりがあると言った具合で面白かったのですが、えさを捕まえるのが大変なことと小さいので食べるのを諦めざるを得ないのでほどほどにしておきました。


写真48 久しぶりの海

久しぶりの海にはハマナスがたくさん咲く

 


写真49

 やっと視界が開け今までとは異なった風景に変わり広い海が見えてきました(写真48)。ずっと山の中を走り回っていたので何かとても新鮮なものに出会った新しい感動がありました。ここはキエフカ(Kiyevka)という小さな村です。牛が放牧されている狭い牧草地を横切り、海岸に突き出た小さな岬のような所の急坂をあがりおりたところをキャンプ地として選びました。鏡のように穏やかな大海原は湖の様な小さな波があり、向いにある小さな半島が夕日に照らされてとても美しい情景をかもし出していました(写真49)。

海岸にテントを張り夕食の支度をして、波打ち際にて今回のフィールドワーク最後の夕食となりました(写真50写真51)。夕食後は月明かりのもとでたき火を囲み様々な事を語らうのですが、これがまたフィールドワークでの楽しみのひとつです。一日が終わった後の語らいは格別のものがあります。穏やかな波の音をBGMにしてテントの中で体を休めるといつしかす〜っと眠りに入って行くのでした。

写真50夕食
写真51夕食後の語らい

いやぁ〜どうした?


写真52一転して大嵐

写真53 ウラジヴォストクまであと・・・

 テントに吹き付ける風の音で目をさまし外に出てみると海は昨晩の月明かりを反射していた穏やかな状態とうって変わって風は強く大荒れでした(写真52)。いったい昨晩の海はどこに行ったの?などと冗談を言いながら短時間での自然の変化がこんなにも凄まじいものかと思い知らされました。このフィールドワークのスタート時にあった川の増水もそうですが、自然の驚異というのを身を持って知ったものでした。雨も降ってきて嵐になってきたので朝食もそこそこにして逃げるようにキャンプを撤収しました。

 その日のうちにウラジヴォストクへ帰る予定で、一路、チュダエフ氏の家へと車を走らせました。少し走るとウラジヴォストクまで約172kmの標識がありました(写真53)。快適に走り出したクロコダイルは未舗装ですがスピードが出せるロシアンハイウエイ?を猛進していました。ところが途中からミッションの調子が悪くなりギアが入らなくなる異常事態が起きたのです。とうとう坂の途中でギアが入らなくなりギアレバーが360度回ってしまうという状態になりました。人気がない道のまん中で“さぁ困ったな”という顔をしていたチュダエフ氏でしたが、すぐさま車の下にもぐって何か始めました。どうも針金のようなものでつないで固定したらしく30分程で走れる状態になったのです。ロシアの車は構造が簡単だからこのような時にすぐになおると言って自慢していました。
  日本の車のミッションはブラックボックスでこのような時には簡単には直す事が出来なくすべて取り替えなくてはならないので非常事態になったら車を捨てて帰るしかなくなると思いました。

  途中、何度も車の点検をしながら、また、峠の小さなレストラン(写真54写真55)ではシャシリーク(ロシア風串刺し焼肉)を食べたりして夜遅くに我が家に帰りつきました。クロコダイルを撫でながら今回の思い出に残る長旅を感謝していました。


写真54

写真55 久々のレストラン

 

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