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ゆっくりと車を走らせ道の右側に目を凝らしてそれらしきものを探し当てました。本当に真っ暗なので建物の外観や敷地などの様子は全く分かりません。電話もないので管理人さんをたたき起こして泊めてくれないかという交渉が真夜中に行われました。管理人の方は真夜中にもかかわらず、眠い目を擦りながら嫌な顔ひとつせず部屋を案内して下さいました。
いやぁ〜率直な感想ですが、とても恐怖心が先に経ち寝るどころではありません。
裸電球に照らされた薄暗い8帖ほどの室内は雲の巣が張り、スプリング丸出しのパイプベッドが無造作に2つおいてあるだけの部屋でした。窓の外は真っ暗でどのようになっているのかも分かりません。こりゃどこかのホラー映画で見た事があるよなぁ〜と感じ、その映画のワンシーンに自分がはまり込んでしまったようで、いつどこから(西洋の?)妖怪があらわれても不思議ではないと思いました。真夜中に皆でお茶とパンのみの夕食をとり、早急にトイレをすませそれぞれの部屋に別れて行きました。実は、トイレは様々な意味で大変に恐くて、特に真夜中では様子が分からずにはまってしまうと大変ですから草むらで用を足した次第です。
その夜は庸介と同じ部屋でしたが、広めの部屋のまん中にともした蚊取り線香の赤い光がさらに恐怖心をあおり、さらにたまたま通った車のライトが窓から差し込むものならドキッとしながらなかなか寝付く事ができません。誰かが廊下を歩きギシッと音がしようものならビクッと反応してしまいます。恐怖心をウオッカという万能薬で治療し、なんとか寝付く事ができました。
『な〜んだ! 良いところじゃないの』と言うのは翌朝の第一声でした。夏だというのに窓から淡い光が差し込み、どこかリゾートのログハウスにて快適な朝を迎えたかのように感じられました()。おいおい昨晩の話しと全く違うじゃないのとお叱りを受けるかと思いますが、この場所の全体の様子がわからなかったので本当に昨晩は恐い思いをしました。施設の敷地内を散策したところ、牛がいたりロシア式サウナがあったりと保養所的な施設でありました。小屋の外の隅に炉があり、そこで煮炊きをして朝食をとりました()。
軽井沢・・・? |
朝食です |
今回のフィールドワーク最後の鉱泉は昨夜遅くに確認した場所で、ゴルノヴォドノエ (Gornovodnoe) という場所にあり(),シホテアリン山地のいちばん東端の現在は活動していない火山地帯に位置します。ここは中新世から鮮新世(第三紀の最新期)にかけて火山活動があった場所で,後期白亜紀の安山岩や玄武岩が分布している位置にある鉱泉です。この井戸は道路の端にあり,多くの人々が立ち寄って行く場所で,また,トラックでこの水をどこかに輸送している光景も見られました。翌年,この鉱泉を訪れる機会がありましたが,個人管理になってしまったらしくフェンスが張られガードマンらしき人物が駐在しており,立ち入ることは出来ませんでした。
ゴルノヴォドノエ鉱泉 |
ゴルノヴォドノエ鉱泉 |
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