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薬草園の世界
東邦大学名誉教授
小池 一男

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No.004 アーティーチョーク

アーティーチョーク (キク科)
Cynara scolymus

 アーティチョークはわが国ではイタリア料理の食材として知られていますが、薬用ハーブとしての歴史は古く、ギリシア・ローマ時代から肝機能の促進や利胆(胆汁分泌の促進)の目的で用いられてきました。
  今日では科学的にもその効果が実証され、作用の中心となる成分はカフェ酸誘導体のシナリンや苦味のあるセスキテルペンラクトンのシナロピクリンとされています。

 アーティチョークはワインのつまみに最高の料理とされていますが、肝臓の保護の面からも好ましいと言えるでしょう。健胃剤にはシナモン(Cinnamomum aromaticum)のような芳香性健胃剤とアーティチョークのような苦味性健胃剤があります。
  苦味性健胃剤の特徴は消化器の働きを向上させるだけではなく神経的なトニック(強壮)効果も期待できる点にあります。したがって夏バテなどによる食欲不振に加えて神経性の食欲不振症にも奏効します。
  アーティチョークは作用がマイルドなこともあり、小児科領域でも消化器系強壮薬として用いられることがあります。

Text by Shinichiro Hayashi @Green Flask Co.Ltd

 ※文章・写真は、グリーンフラスコの林真一郎先生の提供によるものです。