マメ科 シバハギ属
学名 Desmodium paniculatum
北アメリカ原産の帰化植物。市街地の日当たりの良い道端や空き地などに生える多年草。高さ50〜100cmほどになる。
アレチヌスビトハギは一日花で、夕方にはしぼんで青くなります。実は平たい節果で、表面には細かい毛を持ちます。この毛先は、やわらかいフック型をしていて、衣類や動物の体などに着いて種子を運んでもらいます。これはシバハギ属の特徴で、秋の野原の楽しい遊び道具「ひっつき虫」です。このひっつき虫に困らされたことがある方も多いのではないでしょうか。
花期は7〜10月頃で、紅紫色の長さ7〜8mmほどの小さな花を咲かせます。花後には、ひっつき虫な節果をつけます。節果は5〜6個の、ほぼ三角形をした小節果からなり、節はあまり深くくびれません。これに対して、在来種のヌスビトハギは長さ3〜4mmほどの、より小さな花を咲かせます。節果はたいてい2個の小節果からなり、節が点状に深くくびれます。小節果の形はポケットのような半円形で、熟して茶色になった様子は絵に描いたサングラスのようですから、服に着けて遊ぶにはもってこいですね。
ヌスビトハギの名前の由来は諸説ありますが、「実の形が忍び足をする盗人の足跡に見えるため。」 また、「人の知らぬ間に果実が付く植物をヌスビトと呼ぶことから。」といいます。‘足跡’説については、牧野富太郎によれば「古来の泥棒は足音を立てないように、足裏の外側だけを地面に着けて歩いた。」とのことで、その時の足跡に似ていることから盗人萩の名がついたというものです。
和名「荒れ地盗人萩」は、1940年に大阪で本種を採集した岡山県の植物研究家、吉野善介によって命名されました。
