■□■ トウゴマ ■□■
【学名】Ricinus communis L.
トウゴマ属 トウダイグサ科
【原産】インド、小アジア、北アフリカ。
日本には、かなり古い時代に中国経由で持ち込まれたと考えられています。カラエ、ヒマなどの呼び名もあります。
温帯地方では一年草の草本<そうほん>として扱われますが、熱帯では多年草の木本<もくほん>として栽培できます。春に撒いた種が夏には2m近くまで成長します。
トウゴマの種子から取れる油をヒマシ油といい、古来から薬用に用いられてきました。紀元前1500年頃のエジプトの文献にも登場します。
▼熟した実を割ったところ。
皮もトゲもやわらかく簡単に種子が取り出せます。種子は楕円形で、黒褐色の斑点があります。

■□■ 薬用 ■□■

※圧搾する前の種子そのものには非常に強い毒性があるため、絶対に口にしないよう注意して下さい。
生薬名: (ひまし)
成熟した種子を日干しにした後、圧搾した油を用います。
リノール酸、ステアリン酸、リパーゼなどの他、毒性のあるリシン(タンパク質)、リシニン(アルカロイド)を含みます。
古くから食中毒、急性胃腸炎、常習性の便秘、潅腸剤などに用いられていましたが、毒性が強いため、現在は主に印刷用インクなどの工業用に利用されています。
参考文献:新訂原色牧野和漢大図鑑
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