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薬草園の世界
東邦大学名誉教授
小池 一男

■□■ 写真<ビャクブ> ■□■

 ビャクブが咲いています。

本来の花期は5月から7月ですが、8月20日現在薬草園のビャクブは沢山の蕾を持っています。

▼花枝の下部が葉の主脈と一体になっています。

▼花後に膨らんだ子房

※写真は2004年8月20日撮影

■□■ ビャクブ ■□■

 原産は中国。

 ビャクブの茎は下の方は立ち上がり、伸びるにつれつる状になる(左写真)ため、ツルビャクブと呼ばれることもあります。ビャクブには立性の“タチビャクブ”もあります。

 花は小さいですが、凛としてとても品があります。葉は厚みがあり、葉脈がくっきりとして、3-4葉が輪生します。

■□■ 薬用 ■□■

根茎は生薬名を百部根(ビャクブコン)といいます。
(タチビャクブ、タマビャクブの根茎も同様に用いられます)

百部根:秋に地上部が枯れた後、または春の新芽が芽吹く前に根を堀あげ、水で洗い、ヒゲ根を除いたものを熱湯に通し、日陰干しにします。

 鎮咳、駆虫などを目的として利用されますが多種のアルカロイド(ステモニン、ステモニジン他)を含むため、使用には注意を要します。 

 また、ビャクブエキスには殺虫作用があり、シラミには特に効果が高いようです。


参考文献:新訂原色牧野和漢大図鑑