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薬草園の世界
東邦大学名誉教授
小池 一男
■□■写真<フクジュソウ>■□■

▼2月下旬の薬木園にて撮影。

黄色い花を咲かせている右上には蕾の状態のフクジュソウがあります。

■□■ 福寿草根 ■□■

 フクジュソウの根と根茎を薬用に用います。

  • 強心
  • 利尿

 に用いられます。

■□■ 有毒植物 ■□■

 全草が非常に危険な有毒植物でもありますので、決して食べないように注意して下さい。
 開花前の地面から出てきたばかりの頃に、フキノトウと間違えて食し、中毒をおこす方がいるようです。

 症状としては、嘔吐、呼吸困難、心臓麻痺などがあげられます。
 ひどい場合には死に至るケースもあります。特に子供やペットが口にしないようにくれぐれもご注意下さい。

■□■ フクジュソウ ■□■

★フクジュソウ-福寿草-★

 フクジュソウはキンポウゲ科の多年草です。

和名の由来は、正月を祝う時期に咲くことから、めでたい植物ということで付けられたようです。別名元日草とも呼ばれています。

 自生種、露地栽培の場合には、2月から3月ころに花をつけ、春の花が咲き乱れる4月ころに結実します。

 咲き始めた頃は茎が短く地面すれすれに花が見られるものもありますが、だんだんと茎が伸び、20cm以上にもなります。

 また、西洋のフクジュソウの花は赤いのですが、これは昔、アドニスという王子様がイノシシの牙にかかって流した血の色とされています。これが学名(Adonis amurensis Regel et Radde)の由来となったようです。


▲フクジュソウ (2003.02.21薬草園にて撮影)

 初春の山歩きではなじみ深いフクジュソウですが、実は絶滅の恐れのある野生植物として環境省発表のレッドリストに掲載されています。

 環境省レッドリスト、レッドデータブックにご興味のある方は→こちらからhttp://www.env.go.jp/nature/redlistS/index.html