【和名】ソシンロウバイ
【学名】Chimonanthus praecox f. concolor
ロウバイを「黄色い梅」と思われている方も多いようですが、分類は“ロウバイ科ロウバイ属”であり、“バラ科サクラ属”の梅とは異なります。
ロウバイは中国原産で、17世紀頃に日本に渡って来たと考えられています。中国名「蝋梅」を音読みして和名のロウバイとなりました。別名“カラウメ”とも呼ばれますが、これは唐から来た梅という意味です。
また、花が蝋細工のような光沢と透明感を持っているところから名づけられたとする説もあります。
“ソシンロウバイ”は、左の写真のように中心まで黄色一色ですが、“ロウバイ”は内側の花弁が赤紫色をしています。
花弁は蝋細工のような光沢と透明感があります。
ロウバイの蕾を『蝋梅花』『黄梅花』として薬用に用いられます。
花蕾にシネオール、ボルネオール、リナロール等の精油成分(*1)、カリカンチン他のアルカロイド(*2)、αカロテン他のフラボン類(*3)等を含みます。
1月中旬頃につぼみを採取し、風通しのよい日陰で乾燥させます。中国、東南アジアではこれを生薬として煎じ、鎮咳・解熱などに用います。
また、蝋梅花20-30gを胡麻油に漬けおいたものを火傷に用いることもあります。
(*1)精油:植物の細胞に含まれる揮発性の油状物で水蒸気蒸留によって抽出します。芳香のあるものが多く、香水やアロマテラピーにも利用されています。
>>ハッカ油、チアミン油など。
(*2)アルカロイド:植物中に存在する窒素を含む塩基性有機化合物。微量で強力な毒性、中毒性を持つものが多く、誤って摂取すると非常に危険なので注意が必要です。
>>モルヒネ、アトロピン、キニーネなど。
(*3)フラボン:フラボノイドのひとつ。植物に広く分布する黄色系の色素。
参考:薬科学大辞典 第3版
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