海藻押し葉工房

海藻押し葉のつくり方

海藻押し葉つくりの実際

アメリカ・カナダでは・・・

 アメリカではサラシ布はありません。押し葉作成に使う布のことをダピーあるいはナピーといいます。オムツ布あるいはナプキン布地を使うわけです。
  わが国ではめったに見かけないものにWaxed paperがあります。パラフィン紙に鑞(ロウ)を引いたもので、料理や食品の保存に用いるものです。スーパーマーケットで容易に買うことができます。これを布のかわりに用いるのです。乾燥後はがしやすく、何回かは再利用できるし、使い捨てできることから便利に使われています。

 カナダやアメリカでは、時には布がなくて、このWaxed paperしか置いていない研究所もあるほどです。日本でも、アメリカでも押し葉作成後に布を洗濯しないところがほとんどです。臨海実験所には古くなって褐色になった布が山積していたり、黒いカビが生えているものも多くてビックリさせられます。こんな布を使ったのではきれいな押し葉ができるわけがありません。
  そういう時には、近くのコンビニエンスストアーやスーパーマーケットでWaxed paperを買い求めてきて押し葉を作る方が利口です。しかし、何度か使った古いWaxed paperでヌルヌルした海藻の押し葉を作ると、この古いWaxed paperがベッタリと貼りついてしまいはがすことができなくなることがあります。

メキシコでは・・・

 1971年に筆者はNorth Carolina大学のM. H. Hommersand教授とBaja Californiaに採集旅行を慣行しました。わが国と、北米太平洋沿岸にはよく似た海藻が生育していることはよく知られていました。そこで、実際にどんな海藻が生育しているのか、その研究材料を採集にでかけたのです。

 ここでは、押し葉標本を作ることができませんでした。それは、Baja California では古新聞が手に入らなかったのです。押し葉は新聞紙や、古い本に挟んで吸水して乾燥します。その紙が手に入らないと押し葉はできないのです。ですから、古新聞紙が手に入らないところでは押し葉作りができないのです。わが国は、どこでも古新聞が手に入ります。押し葉作りにはもっとも恵まれた国です。

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