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薬草園の世界
東邦大学 薬学部 生薬学教室
小池 一男

■□■ 写真<トウゴマ> ■□■ 

トウゴマは実と花を一緒に見ることができます。

▼熟して表皮に亀裂が入った様子。3つに分かれ、それぞれに種子が入っています(→右写真)。

▼花/赤い花と黄色い花が咲いているように見えますが、赤は雌しべ、黄色い方は雄しべです。

▼まだ緑色の実。たくさんのトゲがあります。

▼トウゴマの葉は掌状で亀裂が深く入ります。

※写真は2004年8月20日撮影

■□■ トウゴマ ■□■

【学名】Ricinus communis L.
トウゴマ属 トウダイグサ科
【原産】インド、小アジア、北アフリカ。

 日本には、かなり古い時代に中国経由で持ち込まれたと考えられています。カラエ、ヒマなどの呼び名もあります。

 温帯地方では一年草の草本<そうほん>として扱われますが、熱帯では多年草の木本<もくほん>として栽培できます。春に撒いた種が夏には2m近くまで成長します。

 トウゴマの種子から取れる油をヒマシ油といい、古来から薬用に用いられてきました。紀元前1500年頃のエジプトの文献にも登場します。

▼熟した実を割ったところ。
皮もトゲもやわらかく簡単に種子が取り出せます。種子は楕円形で、黒褐色の斑点があります。

■□■ 薬用 ■□■

※圧搾する前の種子そのものには非常に強い毒性があるため、絶対に口にしないよう注意して下さい。

 生薬名:蓖麻子(ひまし)

 成熟した種子を日干しにした後、圧搾した油を用います。

 リノール酸、ステアリン酸、リパーゼなどの他、毒性のあるリシン(タンパク質)、リシニン(アルカロイド)を含みます。

 古くから食中毒、急性胃腸炎、常習性の便秘、潅腸剤などに用いられていましたが、毒性が強いため、現在は主に印刷用インクなどの工業用に利用されています。


参考文献:新訂原色牧野和漢大図鑑