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薬草園の世界
東邦大学名誉教授
小池 一男

■□■ 写真<ゲンノショウコ> ■□■

ゲンノショウコの可憐な花が咲いています。


夏から秋にかけて、小さな花が次々と咲き続けます。

▼白花

▼紫紅花(西日本ではこちらの方が多い)

▼葉の形がウマノアシガタに似ています。

■□■ ゲンノショウコ ■□■

 江戸時代の始め頃から用いられ、これを服用するとたちまち効き目が現れることから「現之証拠(ゲンノショウコ)」という名がついたと言われています。

 別名でミコシグサという和名がありますが、これは実が熟すと裂開して種を飛ばし、その姿が御輿の屋根のようなユニークな形状になることから名づけられました。

▼はじける寸前のさく果

 ゲンノショウコはフウロソウ属でハクサンフウロやイブキフウロ、タチフウロなどの仲間です。

■□■ 薬用 ■□■

 ゲンノショウコはドクダミなどと共に古くから日本で用いられてきた薬草です。一般には花期に地上部を採取し、乾燥させたものを用います。

【成分】

 葉におよそ20%のタンニンを含み、その主成分はゲラニイン。他にコハク酸、没食子酸、ケルセチンを含む。

【利用】

 主に下痢止めや健胃、外用では腫れ物、しもやけの洗浄に用います。また、入浴時に湯に入れて利用することもあります。

 乾燥したゲンノショウコ10〜20gを0.5リットルの水で濃い目に煎じて飲用します。

 かぶれには冷やしてから塗布します。

※ゲンノショウコと間違えてウマノアシガタなどの毒草を誤飲してしまう方がいるようです。十分に注意して下さい。


参考文献:新訂原色牧野和漢大図鑑