海藻押し葉工房

海藻押し葉のつくり方

海藻押し葉について

用意するもの

  1. バット
    水を入れてこの中で海藻をひろげたり、台紙で海藻をすくい上げるために用います。
    A3版ほどの大きさのホーロー製やプラスチック制のバットが2枚ほどあると便利です。
    底の白いものがよいでしょう。
    小さい台紙で作る場合には洗面器やコンテナー、発砲スチロールのトロ箱(魚箱)でも代用できます。
  2. 台紙
    直接海藻をはりつける台紙と、それらを同一の大きさに揃えて保存するための台紙が必要です。
    直接海藻をはりつける台紙は、120〜180kgの上質紙が適当です。
    四つ切りにしたものを買い求めて、これを1/2、1/4、1/8の大きさに切っておき、海藻の大きさに合わせて使いわけます。
    保存台紙は直接海藻をはりつける台紙よりも少し厚いものがよいでしょう。
    上質紙よりもB4版の画用紙の方がよいという人もいます。
    色は白いものがよいのですが、少し黄色いものも用いられています。
    経済的に余裕があれば、菊判の大きさにラベルを印刷した独自の台紙を用意します。この台紙に、標本作成者名、採集地、採集日を書き入れます。海藻の名前は作成の前に書き入れて下さい。この台紙に用意した海藻をのせて押し葉とします。
  3. 下敷
    台紙は水に入れると、コシがなくなってしまいます。そこで、海藻を台紙ですくいあげる時に台紙の下にあてがって使います。
    台紙よりも一回り大きいいと便利です。大きすぎてバットに入らないものはだめです。
    3ミリほどのプラスチック板を切って使うと便利です。
  4. 吸水紙(新聞紙)
    押し葉を作るということは、植物を圧搾しながら乾燥することです。
    乾燥には新聞紙を使います。4ページ分の新聞紙をあらかじめ1枚づつにばらしておき、2ツ折りにしたものをたくさん用意しておきます。
    陸上植物の乾燥用に厚さ2〜3oの吸水紙が市販されています。
    陸上植物の乾燥には植物の枝葉を挟んだ新聞紙の両側をこの厚手の吸水紙ではさみ、さらにそれをダンボール板紙で挟み、熱風で乾燥します。近頃この厚手の吸水紙を手に入れることはとてもむつかしく、もっぱら古新聞にたよっています。
    厚手の吸水紙は専用の乾燥機で乾燥します。
  5. ダンボール紙板
    包装用のダンボール紙板は、中が波状構造となっています。素材は紙ですから吸湿性に富んでいます。また、波状構造になっていることから通気性がよく、ぬれても速やかに乾燥する性質を持っています。
    これを吸水紙の間にはさみこむと、海藻の水分を吸水紙が吸い、吸水紙の水分をダンボール紙板が吸いとります。ダンボール紙板の孔の中を乾燥した空気を送ると、ダンボール紙板の水分は空気によって外部にとばされて乾燥します。
    スーパーマーケットや家具屋さんに行くと、たくさんの大きなダンボール紙板が手に入ります。 これを吸水紙の大きさに切って使います。ダンボール紙板は優秀な海藻押し葉の吸湿紙なのです。
    ダンボール紙板には1枚重ねのものと、1枚のみのものがあります。どちらも有効です。長い間使い続けているうちに、波板の隙間部分がへこんできて、上面が波を打つようになります。こうなったものは早めに捨ててください。
  6. 扇風機
    ダンボール紙板の間に風を送るために用います。
    家庭用の扇風機でも十分に役立ちますが、四角い形の扇風機や、台所の換気扇を四角い木枠にはめこんで使ってもよいでしょう。
    風を送ることができる海藻押し葉作成用の乾燥箱やシートカバーなども市販されていますが、扇風機が便利です。いずれにしろ通気量の多いものほど乾燥を速やかにします。
  7. 布とビニール袋
    わが国にはさらし木綿というとても便利な布があります。幅が台紙と同じくらいで、長さは台紙の大きさにハサミで切るとすぐに押し葉作りに使えます。織り目が細かく、糊分のついていないものがよいのです。値段も手頃であり、全国どこの呉服屋さんでも手に入ります。
    日本手ぬぐい、古いゆかた地でもよいのですが、さらし木綿を買って来ることの方がはるかに手軽です。
    1反のさらし木綿を20〜24枚に切っておきます。ガーゼの方がもっと安価で、乾燥も速いという人もいますが、ガーゼ布にはこしがないので切ることも、台紙の上にかけるのも大変ですし、なによりも洗濯したものを広げることはとても大変です。
    サラシ木綿よりも、化学繊維の布の方が乾燥が早いので、商店街の大売り出しの旗や、選挙の宣伝用の旗を貰ってきたり、安価なシーツ地やカーテン地などを集めてもよいでしょう。使い古したワイシャツ地や、古い着物の生地などもよいのです。これらの布は、使用前に一度よく洗ってから使います。また、押し葉を作った後の布も、作成後ただちに洗濯しておきましょう。
    アオサやスサビノリのように台紙に貼り付かないものは、デンプン糊をうすめて海藻にかけ、その上に布のかわりにビニール布をかけて乾燥します。ビニール布は、透明なビニール袋をそのままひろげて使います。あまり厚くないものの方がよいようです。
  8. ピンセット・ハサミ
    枝を切り取ったり、ゴミを取り除くのに用います。

  9. 枝を整えたり、のりをぬるのに用います。毛筆の筆がよいでしょう。
  10. 水切り台
    海藻をすくい上げた台紙を積み上げて、水をきる台です。
    スノコを斜めにたてかけて使用します。木製品よりも、プラスチック製品の方が安価で水切りもよいようです。
  11. 押し板となか板
    押し板は、積み重ねた吸水紙の上にのせ、その上におもしをのせる板で、圧搾板のことです。厚さ2から3pの分厚い板を用います。吸水紙よりも一回り大きく、そりのない一枚板がよいでしょう。
    なか板は、たくさんの吸水紙を積み重ねた時に、間に挟み込んで安定よく積み重ねるために用います。押し板と同じ大きさに切ったベニヤ板を用います。
  12. おもし
    海藻の体はやわらかく、加圧するとつぶれてしまうものもあります。このようなものにはおもしは必要ありません。従って、おもしはごく軽いものがよく、百科事典1〜2冊くらいがよいでしょう。また、漬け物石として市販されている5s、10sの重石がとても便利です。
次は海藻押し葉つくりの実際

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