空中花粉を捕集する機器と花粉数を計測するための方法などをご紹介します。 機器類は東邦大学の校舎屋上に設置、実際に使用されているものを撮影しました。
ダーラム型花粉捕集器を用いている観測地が多い。ISロータリー型は、捕集能力は高いのですが、ダーラム型に比べ普及率が低くなっています。
現在、花粉の観測はボランティアの活動に依るところが大きく、「リアルタイム花粉モニター」などの機器は高価であることから、使用している観測地は多くありません。
重力法/水平に設置されたスライドガラスで捕集。
取り扱いが簡単で安価なことから、一番普及している。
ダーラム型・ISロータリー型のように花粉の重さで落下したものを、スライドガラスに付着させて観測する方法を重力法、バーカード型の観測器のように、空気とともに空中の花粉を吸い込み、空気中の花粉を観測する方法は体積法と言います。
ここでは、重力法(ダーラム型)で花粉を捕集したスライドガラスを、その後どのように処理するのかを紹介します。
1.捕集器にセットされたワセリンを塗ったスライドガラスに花粉が付着する。これを専用のケースに入れて回収(右の写真)。
2.スライドガラスにGVグリセリンゼリーの小片を載せ、その上にプレパラートを載せ、加熱する。
▲上の写真はダーラム型の捕集器のスライドガラスを交換している様子。
3.グリセリンゼリーがプレパラートとスライドガラスの間に均一に広がり、花粉が染色される。
4.染色された花粉を顕鏡。一定面積中の花粉の個数を数える。
■GVグリセリンゼリーは、加熱により速やかに花粉を染色。数年間保存可能。写真撮影や顕鏡が容易かつ正確にできる。
■研究室には各地から、処理を施したスライドガラスや測定データが送られて来る。