

薬用や食用のため栽培される常緑高木。ユズは若木のうちは鋭い棘が有り、年数を重ねるごとに棘は小さくなっていく。柔らかい葉はアゲハチョウの幼虫が好んで食べる。
私はユズを実生で育てたことがあるのだが、花が咲くまでに30年ほどかかった。なんとも気の遠くなるような植物である。販売されているものは接ぎ木がされているのが一般的で、それらは大抵2~3年で花を見ることができる。
数ある柑橘類の中でもユズは好きな方だ。黄色く色づき始めた実を丸かじりしたり、実全体を細かく切ったものを砂糖漬けにしてよく食べたりする。ここ30年ほどで品種改良が進み、実が成るまでにあまり年数がかからない品種や、棘の無い品種、果汁の多い品種などが出回ってきた。香りの少ない品種もある。ユズは他の柑橘類よりも寒さに強いが冬には少なからずダメージを受ける。だが温暖化の影響か、最近は冬のダメージをあまり受けなくなってきたように思う。
ユズは枝が混み始めた時に剪定を怠ると風通しが悪くなり、すす病で実の表面が真っ黒になったりする。害虫のカイガラムシが付きやすくなり、葉を傷める原因のハモグリガも付きやすくなる。風通しを良くし、全体に日が当たるように栽培するとよい。摘果はしなくても大丈夫だ。
(ユズ/ミカン科 2022年12月.記)