

本州中部以北の山地に生えるキンポウゲ科の多年草“ユキワリソウ”。この名前はミスミソウやオオミスミソウ、スハマソウ、ケスハマソウなどの総称として使われることもある。
私の住む千葉県でも30年ほど前までは自生地が細々と点在していた。そこで出会ったユキワリソウの花の色は白色が主で、稀にピンク色や紫色の個体があった。だがユキワリソウブームがおきた頃、急に自生地から姿を消してしまった。ほとんどが取り尽くされてしまったのだ。ブームとは恐ろしいものである。
ユキワリソウの花色は多様だ。特に新潟県産のユキワリソウは色とりどりで、白色~濃紫、濃赤色や濃桃色、緑色などがある。形も様々で、二段咲きや三段咲き、八重咲きなどがある。これまでユキワリソウを見てきて思うのは、ユキワリソウの花の色は北の産地ほど濃いようだということである。紫外線量の違いによるものだと聞いたことがあるのだが、真相を知りたい。ユキワリソウブームは去ったが、現在は早春に花屋さんの店先を飾っている。中には高値で売られているものもある。
私は40年ほどユキワリソウを栽培しているのだが、その間にわかったことが沢山ある。そして、あたり交配を行って狙い通りの花を作り出している。納得のゆく花が咲いたことも何度かあった。特に思い出に残っているのは一重の梅弁で濃赤色の花だった。八重咲きを目指した時には思い通りにはゆかなかったが、二段咲きになり固定した。
(ユキワリソウ(総称として)/キンポウゲ科 2024年1月.記)