南アメリカ原産の常緑低木。木なのだが、ヤノネボンテンカの若い株は冬に根元近くまで枯れこむこともあり、その点では草のように見えるかもしれない。
ヤノネボンテンカは40年前には越冬できずに枯れていて1年草扱いであった。温暖化の影響もあるのか、ここ15年くらいは路地植えで越冬するようになった。当薬草園では地植えで10年ほど。多少の枝先の枯れこみはあるが樹元は枯れずに越冬できている。その間、冬に-4℃を記録した年もあったが何とか生きていてくれた。もともと寒さに強いのか、実生で代を重ねて寒さに強くなったのかはわからないが、ヤノネボンテンカの進化の一つかもしれないと勝手に思っている。
以前は植物園でしか見られなかったヤノネボンテンカだが近年では鉢植えで花屋さんの店頭に並ぶようになってきた。身近な植物になりつつあり、年に数回は栽培に関する問い合わせがある。栽培される数が増えたためか、ここ数年は半野生化している個体も見かけるようになった。植物に興味を持ってくれる人が増えていると思うと、とても嬉しい。
(ヤノネボンテンカ/アオイ科 2024年2月.記)