ケヤキやエノキ、サクラ、コナラ、カシワなどの落葉樹に寄生する常緑低木。全体的に球形に育つ。冬、落葉樹に寄生しているのが遠目でもよくわかる。成長は遅く、目立つ大きさに育つには10年位かかっているように思える。その頃になると直径は40cmほどだろうか。
ヤドリギの実は黄実の他、赤実がある。タネは主にレンジャクやヒレンジャクがお腹を通して運んでくれる。なかなか見られない冬鳥たちだ。鳥友から「彼らが来た」と連絡が入ると、私は実が付いているヤドリギを探して彼らをじっと待つ。だが、これまでに会えた確率は2割ほどだ。それでも、何度か会えた場所は水戸市の千波湖畔あたりだ。そこはヤドリギの数が多く、直径1mを超す大きなものも10個ほどあった。だが台風でかなりやられてしまった。他に、千葉市の千葉公園にも立派なヤドリギがあったが、こちらも同じく台風でかなりのダメージを受け、レンジャク達は来なくなってしまった。
以前、私はヤドリギの実を1000個ほど集めてタネを取り出し、ケヤキやカシワ、エノキ、ムクなどにヤドリギのタネをつけて発芽させてみた。だが、確率が悪く、無事に育ったのは約2000分の1であった。鳥たちのお腹を通らないと発芽しづらいのかもしれない。
(ヤドリギ/ビャクダン科 2022年3月.記)