

中国原産の落葉高木。ウメは奈良時代以前に薬木として渡来したとされる。サクラと同じくらい名の知れた植物だろう。栽培歴史が古く品種改良が進んでおり、現在では300種以上あると聞く。ウメには大きく分けて実を収穫するための“実ウメ”と花を楽しむ“花ウメ”とがあり、実ウメよりも花ウメのほうが多い。今は亡き私の知人は趣味でウメの品種改良を行っていた。だが納得のいく品種は出来なかったようであった。思い通りの品種を作るのは難しいものだ。
ウメは春の花として好まれている。国内の各地に梅園があり、愛好家団体も多い。花色は白色~濃赤色、緑色、複色花など様々。咲き方も多様であり、八重咲きや枝垂れ咲きのほか花弁が退化したもの、斑入り、矮性、石化など変化に富む植物である。これだけ変化があるのだから、品種改良はやり甲斐はあるだろう。私も例にもれず、少し興味がある。時間と広い土地が有れば試してみたいと思うが、思い通りの品種を作出するには年齢的にもうタイムリミットのようにも思う。
“野梅”は昔から栽培されてきた古い品種のウメや、栽培品種が野生化したウメのこと。1月から2月にかけて一重の小さな花を咲かせる。庭木の他、盆栽でも楽しまれている。寿命の長い樹と言われ、盆栽のイベントなどでは古樹として貫禄のある作品を見ることもできる。洞になり皮1枚で生きる生命力を見せつけられる。
(ウメ/バラ科 2024年1月.記)