山野や空き地などに生える多年草。薬用の他、観賞用として栽培される。自生地は広いが個体数はあまり多くない。ラッパ状の独特な形をした花を咲かせる。花色は赤茶色から緑色で花元に丸い子房をつける。ウマノスズクサの名前の由来は、実が馬に付ける鈴に似ている事という説もある。
太い主根があり、そこから細根が沢山生える。地中に30cmほど垂直に伸び、そこから横に伸びる。まるで竹の根を思わせるような形に生長する。そのため、思いがけない所から芽が出ることがある。
これまで沢山のウマノスズクサを見てきたが、実が付いたところは3度しか見ていない。実の付きがとても悪い植物のように思う。ウマノスズクサはジャコウアゲハの食草で、幼虫が蛹になるときに根元に降り、茎を嚙みちぎって枯らしてしまう。その結果、花がなかなか咲かない事も実の付きの悪さに影響しているのではないかと思う。ウマノスズクサは、切られてもまたすぐに横から新芽を吹き、伸びはじめるような丈夫な植物だ。だとしても、年に何回も噛みちぎられたら堪らない。
ウマノスズクサには毒性があり、ジャコウアゲハはその毒を体内に蓄積させて天敵から身を守っている。成虫になったジャコウアゲハは飛び方が非常にゆっくりで、優雅に舞っているように見えるチョウだ。
(ウマノスズクサ/ウマノスズクサ科 2021年12月.記)