園芸において“テッセン”というとクレマチス全体を指す傾向にあるが、ここでは中国原産の原種のテッセンについて書こうと思う。
テッセンは中国原産の蔓性植物。薬用や観賞用として江戸時代中頃にはすでに日本に持ち込まれたと聞く。テッセンは6枚の白色のガク片を持つ。花芯は紫色で幾重にも重なる。花の直径は6cmくらいで観賞価値の高い花だ。
テッセンは実生や挿し木苗で増やすことができる。だが、他のクレマチスと違い、非常に成長が遅い。苗により多少違いはあるものの、私がこれまで育てたものは植えてから2年くらいはまともに花が咲いてくれなかった。実生では開花までに6~8年かかるうえに、タネの実入りが悪く発芽率も良くない。挿し木でも開花までに3~4年かかった。また大株に育っても急に枯れることがよくある。絶やしたくないなら、常に苗を作りタネは保存するとよい。テッセンは暑さに少し弱いので、夏場は半日陰になるような場所で栽培するとよい。
(テッセン/キンポウゲ科 2024年1月.記)