タイタンビカスはアオイ科の園芸品種で、アメリカフヨウとモミジアオイの交配によって作られた植物だ。2016年に東京都板橋区にある赤塚植物園によって作り出された。両種の良いところの特徴が出たものが“タイタンビカス”と命名され発表された。草丈は大きいものは2m以上にもなり、赤~白色のアオイ科独特の形をした花を咲かせる。
私も高校生の頃に、よくアメリカフヨウとモミジアオイの交配を試みて楽しんでいた。高校の園芸科の先生とは交配や品種改良についてよく話し合っていた。(その高校では主にシクラメンを栽培していたので、この種の交配にはあまり真剣になってくれなかったことを覚えている。)高校1年生の時に2種を交配して、採ったタネをその年の秋に播き、3年生の夏にはその交配種が初花を咲かせてくれた。交配を行ったのはアメリカフヨウとモミジアオイの両方で、それぞれから採れたタネからは共に大きな花が咲いてくれた。花色はみな赤だったように記憶している。この時、アメリカフヨウとモミジアオイの交配種は開花までに、早いもので2年。咲き揃うには実生で3年かかることを知った。
15年ほど前だったか、花屋の店頭で“タイタンビカス”という名で売られている花を見て、私は「あの時の交配種と同じものだ!」と、すぐにピンときた。その時までに私が見てきた限りでは、当時発表されていたタイタンビカスの仲間は3種、6タイプほどだったように思う。現在はもっと増えている。いずれも花色、花形が素晴らしく、生産者はとても良い花を作ったものだなと思う。
(タイタンビカス/アオイ科 2023年12月.記)