

常緑樹の生えるやや湿った林床に多く生える日本固有の植物。常緑の多年草。雌雄異株。早春に白い星形の花を咲かせる。
別名クスリグサとも呼ばれ、昔は林業に携わる人の小遣い稼ぎのひとつとしてヒノキ林やスギ林の林床で栽培されていた。現在は薬用として栽培される。セリバオウレンはタネを播いてから、生薬の元となる根茎を収穫できるようになるまでに年数がかかる。早いもので6年、時には10年くらいかかってしまう場合もある。
栽培場により色や形の変化が多く、数タイプのセリバオウレンが見られる。花の大きさは小さいもので1.5cm。大きなものは3~4cmほどになり、花色は白色から濃い赤紫色。一重だけでなく多花弁のものもある。
現在、関東ではほとんど栽培されておらず、かつて栽培されていた林床に生えているのをたまに見かけることがある。栽培されなくなった理由は、栽培者の高齢化であると聞いた。日本固有の薬草なので、是非ともこの種を守っていきたいものである。
(セリバオウレン/キンポウゲ科 2024年2月.記)