国内では北海道から九州に分布。山地の林床や林のふち、沢沿いなどに生える多年草。薬用や観賞用として栽培される。半日陰を好み、草丈160cmくらいまで育つ。花期は夏の終わりごろ。小さな花が穂状に付き、まるでビン洗い用のたわしを白くした感じの花を咲かせる。
私がよく行く筑波山にもかなりの数があったが、30年ほど前に急に数を減らした。盗掘による激減だったらしいと聞いた。その後、こぼれダネで多少は復活したが、まだ元の様に戻ってはいない。私は筑波山でこの花が咲くのを毎年楽しみにしていた。サラシナショウマは他の花が減ってくる時期に豪華に咲くのでムシたちが沢山寄って来てくれるからだ。最近あまり見られなくなってしまったタテハチョウ科のミドリヒョウモンやカミキリムシ科のハナカミキリたちにも、夏の終わりの姿(翅がボロボロだったり、足が無かったり)で会わせてくれる。残り僅かな寿命を一生懸命生き延びているムシたちだ。天敵に食べられずに寿命を全うできるのはどのくらいいるのだろうか?と、この時期に彼らに会うといつも思う。
(サラシナショウマ/キンポウゲ科 2024年1月.記)