
山野に生える多年草。初夏にあまり目立たない緑色の小さな花を集散花序に付ける。まれに赤紫花がある。葉はボタンの葉を細くしたような姿をしている。花後、黒紫色の丸い液果をつける。極まれに赤い実がある。地味な植物だが山野草として人気がある。私が知るルイヨウボタンが生えている場所は、足の踏み場がないくらい群生していることが多い。だが、乱獲により激減し近年では絶滅危惧種になっている。
ルイヨウボタンは個体差の大きい植物で、草丈や花の付き方などに産地によってかなりの差がある。花の時期の草丈は、小さなものでは20cm前後、大きなものでは60cmを超えるものまである。あまりの違いに「別種ではないか?」と思うような個体も多く見かける。花の付き方も一様ではなく、毎年2~3輪しか咲かない株や多花をつける株など様々。受け咲き、平開咲き、そり咲きなど花形も多様である。
ルイヨウボタンは気難しい植物だと思う。何年も栽培してもなかなか花を咲かせてくれない。そうかと思えば、毎年花を咲かせ実を付けてくれる個体もある。よくわからない植物である。条件が良ければ、実生3年くらいで花を咲かせてくれることもあるのだ。
温暖化の影響で当薬草園のある千葉県北西部ではルイヨウボタンの栽培が難しくなってきた。近年の、熱帯夜が続くような環境下では夏を超すのが非常に難しくなってきたのだ。高温に弱い植物なので、できるだけ涼しい場所で管理するのがのぞましい。
(ルイヨウボタン/メギ科 2024年1月.記)