中国および朝鮮半島南部が原産の落葉高木。樹高20mほどになる。雌雄異花。
オオモクゲンジは成長が早く、10年前後で、樹高7mほどに成長する。幹はまだ細いものの、それから枝を張り、幹が太くなり始める。花期は9月頃で、樹上に黄色の花を多数つける。花後には淡紅色のふっくらとした袋状の大きな実(蒴果)を付ける。まるで、淡紅色の花を咲かせているように見える。冬、茶色になって地面に落ちた実はドライフラワーのようになる。
20~30年ほど前から公園や工場、学校などで見かけることが増えてきた。
現在、薬木園にはオオモクゲンジが4本ある。そのうちの2本は、私が勤め始めの43年前に植えたもので、高さ1m50cm、太さ2cmほどだった。今では立派になり高さ12m、太さ60cmほどに成長した。9月頃には樹上が黄色に染まるほど見事に花を咲かせてくれる。私は、つい下ばかりを見がちで、意識していないと上の方には目が行かないため、花の最盛期を見過ごすことがよくある。
オオモクゲンジは実生で増やす。冬に落ちた実の中のタネが春に発芽し、一面芝のごとくになる。だが、陽が当たらないと溶けるように枯れていく。実生3年、高さ2mほどまでの若いうちは移植ができるが、ある程度大きくなるとあまり移植を好まない。
ある年、薬木園でかなりの数の実生が出た。その中に綺麗な斑入りが4本あり、珍しいので栽培してみた。だが、2mくらいの高さに育った時点で、どの木も斑が嘘のように消えた。
(オオモクゲンジ/ムクロジ科 2022年1月.記)