日本固有種の多年草。中国地方のごく限られた沢筋に生える。絶滅危惧種。
まるでフジの花が落ちたように咲くことから「オチフジ」の名がある。花色は紫色で淡いものから濃いものまである。花の大きさは2~3cmほど。個体差があり、大きなものは、その1.5倍ほどになる。葉に模様が出ることもある。草丈のわりに大きな花を咲かせるので目を引く。
私は20年くらい前までオチフジを図鑑や写真でしか見たことがなかった。縁あって、栽培をしている人から株を分けてもらい、栽培を始めた。自生地でのオチフジの株幅は大きいもので20cmくらいと聞いたが、私が栽培したものは最大で60cmくらいまで成長した。花は沢山咲いたがタネがほとんどできなかった。地下芽で増えたので、株分けで増やすことにした。
栽培してみてわかったのだが、オチフジは水を好むが、かけすぎると良くない。夏に地上部が殆ど無くなり、その間に地下部が成長して9月頃に芽吹く。日本固有種というが、南方系の植物なのだろうか。寒さにはある程度耐えるが、直接霜にあてたり、うっかり凍らせてしまったりすると枯死することがある。その一方で暑さにも弱く、夏は半日陰の涼しいところで栽培する。
(オチフジ/シソ科 2022年1月.記)